全日病ニュース

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価格かい離の大きい品目の改定を議論

価格かい離の大きい品目の改定を議論

【中医協・薬価専門部会】
中間年の薬価調査・薬価改定

 中医協の薬価専門部会(田辺国昭部会長)は3月15日、薬価制度の抜本改革に向け、2年に1度の薬価改定の中間年の薬価調査・薬価改定を議論した。価格かい離の大きい品目を中間年で、どう薬価改定するかが課題となった。ただ同日は、会議時間が短かったこともあり、議論は深まらなかった。
 薬価制度抜本改革の基本方針では、市場実勢価格を適時に薬価に反映し、国民負担を抑制する観点から、中間年においても薬価調査を行い、価格かい離の大きい品目の薬価改定を行うとされた。これを踏まえ、厚労省は検討課題として、①価格かい離の大きい品目について、事前に具体的数値基準を示すことの是非②3つある後発医薬品の価格帯で、同一価格帯の一部の後発品が対象となった場合の価格帯との関係─を示した。
 支払側委員は、「年によって改定の考え方が異なるのは問題。透明性を確保するため、具体的な数値基準を示したほうがよい」と発言。しかし製薬企業代表の委員は、「一定の率が示されると、それがメルクマールとなって、価格形成が行われるので、具体的な数値は示さないでほしい」と要望した。
 後発品については、現在①最高価格の30%を下回る後発品の価格(過重平均値)②最高価格の30%以上、50%を下回る後発品の価格(同)③最高価格の50%以上の価格─をそれぞれ一つの価格として、3つを設定している。同日はあまり議論にならず、別途、「後発品の薬価のあり方」で議論する予定としている。
 なお、部会長を務めてきた公益委員の西村万里子・明治学院大学教授は退任し、次回から、関ふ佐子・横浜国立大学大学院教授が後任となる。
 また、同日の中医協総会で、抗コレステロール血症治療薬のレパーサ(アステラス・アムジェン・バイオファーマ)とプラルエント(サノフィ)の最適使用推進ガイドラインと留意事項通知を了承した。GL で、一定の能力を有する医師の所属する施設で使用することなどを定めるとともに、留意事項通知では、それをレセプトの摘要欄に記入する旨などを明記している。4月1日発出予定。適用日以前に投与を受けている患者などに対する経過措置も設けた。

 

全日病ニュース2017年4月1日号 HTML版