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厚労省が受動喫煙防止対策を発表

厚労省が受動喫煙防止対策を発表

自民党・たばこ議連は対案示す

 受動喫煙防止対策を盛り込んだ健康増進法改正案の国会提出を予定している厚生労働省は3月1日、受動喫煙防止対策に関する厚労省案を発表した。
 多数の者が利用する施設など一定の場所での喫煙を禁止するとともに、違反者に罰則を適用する方針を打ち出した。
 一方、自民党のたばこ議員連盟(野田毅会長)は3月7日に厚労省案の対案を公表。「喫煙を愉しむことと受動喫煙を受けたくないことはともに憲法に定める国民の幸福を追求する権利」とし、分煙の推進を基本理念としている。厚労省は、自民党の対案に反論するとともに、国民的議論が必要としている。
 受動喫煙の防止が2003年に健康増進法の「努力義務」とされてから10年以上が経過するが、飲食店や職場における受動喫煙は依然として多い。このため厚労省は、「努力義務」としての取り組みは限界があるとし、多数の者が利用する施設など一定の場所での喫煙の禁止を義務付け、罰則を設ける案を示した。
 特に健康上、配慮を要する利用者がいる医療機関や小中高校などは敷地内禁煙とする。老人福祉施設や大学、官公庁、バス・タクシー等は屋内・車内禁煙とする。
 集会場や飲食店、事務所、鉄道などは屋内・社内禁煙としつつ、喫煙専用室を設置することを認める。ただし、小規模(30㎡を想定)のバーやスナックなどは喫煙専用室がなくても喫煙を可とし、飲食店の一部で喫煙を認めた。
 個人の住宅、旅館・ホテルの客室、老人福祉施設の個室は喫煙禁止場所としない。
 施設などの管理権限を持つ者に対し、◇喫煙禁止場所の位置の提示義務◇喫煙禁止場所の灰皿などの設置の禁止義務◇喫煙禁止場所での喫煙の抑制の努力義務―などを課す。利用者に対しても、喫煙禁止場所での喫煙を禁止する。
厚労省は国民的議論呼びかける
 一方、自民党・たばこ議員連盟の対案は、厚労省案で敷地内禁煙としている医療機関や小中高校は、喫煙専用室・専用場所を設けることで屋内外ともに喫煙を認めることとした。屋内禁煙としている飲食店は、「禁煙・分煙・喫煙」の表示を義務化することで喫煙できることとする。職場については、不特定多数が出入りする施設ではないことから対象外としている。
 これに対し厚労省は同日、会見を開いて反論。正林督章健康課長は「私どもの考え方とは隔たりがある。対案は、子どもやがん・喘息の患者、妊産婦、国民の8割におよぶ非喫煙者の健康が喫煙者の自由よりも後回しになっている。厚労省案をまとめたばかりなので、今の段階で歩みよりは考えていない。国民の間で広く議論をしてほしい」と述べた。

 

全日病ニュース2017年4月1日号 HTML版

 

 

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  • [1] 2011年1月1日・15日合併号

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2011/110101.pdf

    2011年1月1日 ... り組む自治体を支援してまいります。 第二に、雇用対策等について、迅速・着実 ... を
    防ぐため、受動喫煙防止対策の強化に取り. 組んでまいります。 派遣労働者の ...... も
    対案を示し、厚労省を介して国税庁. の理解を得なければなりませんね。

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