全日病ニュース

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介護保険法改正案が原案通り衆院を通過

介護保険法改正案が原案通り衆院を通過

塩崎大臣が介護従事者の働き方実態調査を実施する考え示す

 介護保険法等一部改正法案を審議していた衆議院厚生労働委員会は、4月12日に安倍晋三首相が出席して審議した後に採決を行い、自民党・公明党および日本維新の会の賛成多数で政府原案のとおり可決した。民進党・共産党は反対した(写真)。同法案は、18日の衆院本会議で可決、参院に送付された。
 厚生労働委員会はこれに先立ち、5日と7日に審議を行ったほか、11日には参考人質疑を実施した。
 5日の審議で、塩崎恭久厚生労働大臣は、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」報告書を踏まえ、介護従事者の働き方の実態に関して大規模な調査を行う考えを表明した。
 また塩崎大臣は、介護人材の推計について発言。2020年代初頭を目途に実人員で示した推計があるが、これについて常勤換算による推計を示した上で、中間評価を行うことを検討すると述べた。
 厚労省老健局の蒲原基道局長は、介護療養型医療施設から転換した介護療養型老健施設について2015年10月時点で約160施設、入所者で約8千人であると説明した。転換が進まなかった理由として、「介護療養病床に入っている患者像の把握が不十分だった。既存の老健施設等は受け皿として十分機能していなかった」と述べた。
 また、今回の法案で介護療養病床の受け皿となる「介護医療院」の名称について、「介護と医療を提供する施設であることを端的に示すとともに、その機能として日常的な医学管理、看取り、ターミナルケアといった医療を提供する施設であることを利用者に伝えるもの」として定めたと説明した。
 7日の審議では、民進党の柚木道義議員が、厚労省の資料に基づき2015年8月に2割負担を導入した際に、サービスの算定単位の減少数が16万7,163人に上ることを示し、「利用抑制が起きた」と指摘。塩崎厚労相の認識を質した。
 塩崎厚労相は、2割負担導入の影響を踏まえて対応する考えを説明するとともに、2割負担の導入について、「全く影響がなかったとはいわないが、顕著な影響は見られていない」と答えた。

 

全日病ニュース2017年5月1日号 HTML版