全日病ニュース

都道府県のガバナンス強化をめぐって議論

【厚労省・医療保険部会】
診療報酬の特例も検討課題に

　社会保障審議会・医療保険部会（遠藤久夫部会長）は４月26日、「都道府県のガバナンス強化」をめぐって議論した。これは、塩崎恭久厚労相の12日の経済財政諮問会議における発言を踏まえたもの。塩崎厚労相は、「地域の予防・健康・医療・介護の司令塔としての都道府県の保健ガバナンスの強化」を検討する考えを示した。医療保険部会では、都道府県の権限強化と役割の明確化の方向について反対はなかった。また、都道府県ごとに診療報酬を設定できる特例措置について今年度中に議論することを確認した。
　現在、都道府県は、第３期医療費適正化計画を策定している。第３期計画から、保険者協議会との事前協議を行うことを踏まえ、厚生労働省は保険者協議会における都道府県の位置づけや役割を明確にした上で、都道府県が保険者、自治体、医療関係者などと幅広く連携する体制を構築する必要があるとし、医療保険部会に検討を求めた。
　厚労省はこの日の部会に、市町村国保の保険者努力支援制度および後期高齢者医療における保険者インセンティブの結果を公表した。これは、特定健診・保健指導や保険料収納率など保険者の取り組みを評価するもの。
　保険者努力支援制度のポイント合計点数が最も高かったのは新潟県で、最も低いのは秋田県だった。また、後期高齢者医療の保険者インセンティブでは、ポイント合計点数で最も高いのは宮崎県、最も低いのは徳島県となった。保険者の取組み状況には、格差が大きいことがわかった。