全日病ニュース

●2018年度診療報酬改定に関する要望

①入院基本料の評価基準の見直しと病棟群単位による届出制度の改善
　入院基本料は看護師配置だけでなく、患者の状態像や病棟の機能に応じて設定されるべき。抜本的に見直すべきだが、2018年度改定にこだわらず、十分な議論を尽くすことを要望。病棟群単位の届出制度は、限定的な制度であるため、より利用しやすい制度への改善を要望する。
②急性期病床の重症度、医療・看護必要度の評価（内科系疾患の評価）
　現状の重症度、医療・看護必要度は、地域の総合病院等において提供している入院医療を評価する上で不十分。内科系急性期疾患の評価を見直すとともに、現在評価対象となっていない診療内容への適切な評価を要望する。
③DPC ／PDPS制度の見直し
　機能評価係数Ⅱの重症度係数に関しては、その妥当性のさらなる検討を要するとともに、その他の既存の係数も医療機関の取組みが適切に評価されるよう見直すことを要望する。
④医療療養病床の方向性の早期決定と看護配置基準の医療区分の見直し
　25対１医療療養病床は介護療養型医療施設と同じく最低６年の経過措置延長をした上で、医療区分の抜本的な見直しや介護分野の整備状況との整合性の確保を含め、新たな医療療養病床全体の方向性の早期決定を要望する。
⑤精神疾患特性を踏まえた在宅医療のあり方と高齢化対策
　精神疾患はその個別性ゆえに一律の期限を定めた入院や、安易な退院促進は馴染まない。この点の診療報酬上の配慮が必要。また、長期在院者の多くは高齢者であり、医療・福祉・介護各分野における精神保健福祉法上の切れ目のない一連の体制整備への評価を要望する。
⑥包括対象範囲の見直し
　地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の手術や麻酔の包括外算定が前回の改定で認められたが、特定入院料を算定している場合、患者の生命維持や治療に不可欠でかつ代替困難な高額薬剤等に関しては、包括からの除外を要望する。
⑦診療報酬の簡素化
　現在の診療報酬体系は近年ますます複雑化し、全般的に理解しづらく、病院が誤った解釈をしてしまう恐れもあり、抜本的な簡素化を要望する。
⑧医療のICT化推進の診療報酬上の評価
　医療のICT化は診療報酬上、ごく一部しか評価されていない。電子カルテ等のシステムの導入・維持・更新に莫大な費用がかかっていることから、診療報酬における評価を要望する。