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7対1の維持に看護必要度の基準緩和が影響

7対1の維持に看護必要度の基準緩和が影響

【中医協・入院医療等分科会】
6.9%が改定前の基準で非該当

 厚生労働省は6月21日の中医協の診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」(武藤正樹分科会長)に、7対1入院基本料や入退院支援に関する追加データを示した。2016年度診療報酬改定による「重症度、医療・看護必要度」の大幅見直しは、7対1における該当患者割合の引上げ(15%から25%)の影響を緩和したことが示唆された。
 「重症度、医療・看護必要度」の従前の該当基準は、「A項目(モニタリング及び処置等)2点以上かつB項目(患者の状況等)3点以上」のみだった。
 2016年度改定で、「A項目3点以上またはC項目(手術等)」が加わった。A、B項目自体の見直しも行われている。
 厚労省の調査結果によると、該当患者割合24.6%のうち、改定前の基準でも該当していた患者が17.6%、改定前の基準では非該当の患者が6.9%だった。6.9%は改定前の基準では該当しなかった患者が「A項目3点以上またはC項目」で新たに該当したもの。
 17.6%の中にも従前のA、B項目では非該当の患者が含まれる。なお、全体が24.6%となっているのは集計上の問題で、患者単位ではなく病棟単位の集計では28.8%となる。
 改定以前と患者構成が変わらなくても、基準変更のみで該当患者割合を満たせたとは断定できないが、基準緩和の影響が大きかったことが示唆される結果となった。
 診療科別の該当患者割合は、「呼吸器外科」が35.7%で最も高く、次いで「救急医学科」が32.3%、「心臓血管外科」が31.9%で外科系が比較的高かった。これに関連し、厚労省は「病棟単位での評価では、診療科などでの患者特性の相違があることや、その標準化などにも配慮すべき」との論点を示した。
 入退院支援については、「外来・在宅で管理可能な患者が退院できない理由」の回答結果が示された。それによると、「家族の希望に適わないため」が慢性期病棟において4~5割を占めるなど、最も多かった。恵寿総合病院理事長の神野正博委員は、「介護や住まい、患者・家族の価値観を含む問題があり、病院だけでは解決できない」と述べ、診療報酬を厳格化することには配慮を求めた。

 

全日病ニュース2017年7月1日号 HTML版

 

 

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    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160215/news01.html

    2016年2月15日 ... 7対1「看護必要度」の患者割合は25%、200床未満は23%|第864回/2016年2月
    15日号 HTML版。21世紀の医療を ... 2月10日に開かれた中医協総会は、2016年度
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    重症度、医療・看護必要度該当患者割合は25%(現行15%)とされた。

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