全日病ニュース

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脳卒中と心血管疾患の医療提供体制を描く

脳卒中と心血管疾患の医療提供体制を描く

【厚労省・循環器の診療提供体制に関する検討会】

 厚生労働省の「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」(永井良三座長)は6月29日、循環器病の診療提供体制のあり方を報告書にまとめた。脳卒中と心血管疾患に分けて、急性期から回復期、維持期までの切れ目のない提供体制を描いた。来年度からの医療計画に反映させることを求めている。
 循環器病は日本人の主要な死亡原因であるとともに、介護が必要となる原因の一つであり、高齢化で患者の急増が見込まれる。脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血。心血管疾患は心不全、急性心筋梗塞、急性大動脈かい離を想定した。ともに、発症後の時間的制約の観点が重要で、初発後に再発や増悪を生じやすいという特徴がある。
 脳卒中の提供体制では、外科的治療を含め専門的治療を行う「専門的治療を包括的に行う施設」とt-PA 療法などの一般的な急性期治療を実施できる「専門的医療を行う施設」を位置づけ、地域のネットワークの中で24時間体制を構築する。t-PA 療法を単独で実施できない施設には、遠隔医療など診断の補助により、均てん化を図る。
 心血管疾患の提供体制では、PCI(冠動脈インターベンション治療)など内科的治療と外科的治療を実施できる「専門的医療を包括的に行う施設」と外科的治療は難しいが一般的な診療を行う「専門的医療を行う施設」を位置づけ、同様のネットワークを構築することを求めた。
 急性期後の対応では、運動療法のリハビリテーションだけでなく、食事・服薬指導などを含めた疾病管理プログラムの重要性を強調。慢性心不全状態での再発防止を防ぐための対策と再発時の急性期との連携が不可欠とした。

 

全日病ニュース2017年7月15日号 HTML版

 

 

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