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高齢者医薬品適正使用ガイドラインは２段階で作成

厚労省の高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ＷＧが初会合

　厚生労働省は９月１日、「高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ（WG）」（主査＝秋下雅弘・日本老年医学会副理事長）の初会合を開いた。WG は、高齢者医薬品適正使用検討会の下に設置されたもので、高齢者の多剤服用（ポリファーマシー）対策のためのガイドライン案を作成する。今年度中に包括的なガイドライン、来年度中に詳細なガイドラインを作成する方針だ。
　８月23日に公表された高齢者医薬品適正使用検討会の中間とりまとめは、各学会の診療ガイドラインを包含した「国レベルの包括的な高齢者の内服薬の多剤服用に関する適正使用ガイドライン」を作成する必要があると提言した。これを受けて、WG は高齢者の薬物療法に関する現状を分析するとともに、高齢者の多剤服用に関する適正使用ガイドライン案を作成する。
　初会合で挨拶した宮本真司医薬・生活衛生局長は、「高齢者の薬物療法については学会におけるガイドライン作成や個別医療機関・薬局での対応などさまざまな取組みが行われている。現状を正確に把握した上で、臨床現場で役に立つガイドライン案の作成に向けて忌憚のない意見をいただきたい」と述べた。
　初会合では厚労省がガイドラインの考え方を説明。新たに調査分析を実施するには、時間と費用がかかる一方、関連学会のガイドラインなどで一定のコンセンサスが得られたものがあることを考慮し、2017年度は包括的なガイドライン、2018年度は病院機能別の詳細ガイドラインの２段階で作成する方針を示した。
　第１段の包括ガイドラインは今年12月までに骨子案を作成し、検討会に中間報告を行う。その後、検討会の意見を踏まえてガイドライン案を作成し、2018年３月に報告する。
　第２段の詳細ガイドラインは、各種調査を実施した上で、その結果を踏まえてガイドライン案を作成。2019年３月までに検討会に報告し、検討会が最終ガイドラインをまとめる方針。
　初会合では、構成員からガイドラインについて「複数の疾患を併存した患者への考慮が必要」「地域包括ケアシステムの現場を意識したものにしてほしい」などの意見が出た。
　秋下主査は、「急性期・慢性期・在宅・外来では、患者の期待しているものや医療者側の考え方も異なる。できれば場面に分けて示し、現場で使いやすい視点を盛り込みたい」と述べた。