全日病ニュース

リハマネ加算の要件見直し、通所リハのリハ専門職増員を提案

【厚労省・介護給付費分科会】事業者団体からヒアリング

　社会保障審議会・介護給付費分科会（田中滋分科会長）は９月６日、2018年度介護報酬改定に向けた事業者団体ヒアリングの１回目を開催し、各団体から、現行の介護報酬と各種基準に対する意見・要望を受けるとともに、委員との間で質疑応答を行った。
　この日は、高齢者住まい事業者団体連合会（高住連＝全国有料老人ホーム協会ほか３団体）、全国個室ユニット型施設推進協議会（旧全国新型特養推進協議会）、リハビリ専門職（PT、OT、ST）の３団体、日本リハビリテーション医学会などリハビリ関係の４団体、デイケアサービス「このゆびとーまれ」（富山県）が招かれた。
　特定施設の集まりである高住連は、管理栄養士による専門的な栄養管理の加算評価、自立支援・重度化予防から認知症ケア・看取りにいたる総合力を評価する加算制度の創設などを求めた。
　住宅型有料老人ホームとサ高住における訪問介護や通所介護等の過剰サービスという不適切事例に関しては「その廃絶が目的となるのはやむを得ないが、適正な事業者が経営困難に陥らないようにしてほしい」と要望した。
　全国個室ユニット型施設推進協議会は、まず、ユニット型準個室の名称を「ユニット型個室的多床室」に変えた上で、ユニット型個室の評価を上げるなど差違化を図るよう提案。その上で、食費と居住費の基準費用額の見直し（引き上げ）や準ユニットケア加算における設備基準の明確化などを求めた。
　さらに、医療提供のあり方についても、①看取りなどにおいて、非常勤の配置医が勤務日以外にもオンコールや直接対応の体制が取れている場合の評価、②施設内で行われている医療的処置に対する評価の引き上げ、③看取り加算について、配置医の対応に関する評価を設ける、ことを要望した。
　日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会の３団体は、通所リハと訪問リハの利用割合が介護保険サービス全体の13％ときわめて低いことを指摘。「その増加を促す必要がある」と提起した。
　その上で、（1）受給者を市町村の総合事業に移行させる上でリハ専門職の関与、（2）リハスタッフがいないサービスに外付けでリハ専門職が指導・助言するなど訪問看護ステーションのリハ専門職と多職種・多機関の連携、（3）外出行動などを評価した生活行為向上リハ加算の取得とその対象者を増やす必要など、地域に効率的にリハを行きわたらせる上でリハ専門職の役割が重要になっていることを指摘し、自立支援に資する、さらなる活用を訴えた。
　日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション病院・施設協会、日本訪問リハビリテーション協会、全国デイ・ケア協会の４団体は、通所リハを地域包括ケアシステムにおけるリハの拠点に位置づけ、リハ専門職の人員基準を現行の100対1から50対1ないしは25対1に引き上げるよう提案した。同時に、各種データから従来型（６～8時間）の利用者における改善効果が大きいとして、その継続を求めた。
　また、通所リハと訪問リハに関してはリハマネジメント加算の、特にⅡの届出を増やすことが重要であるとして、医師の関与をさらに促す仕組み、あるいはその算定要件の変更等を検討する必要があるとした。
外国人実習生も配置基準に算定
　厚生労働省は、11月から外国人の技能実習制度に「介護」が追加されることを踏まえ、介護報酬での取り扱いを報告した。訪日後の研修の後、就労開始の６カ月後から配置基準に算定する方針を示した。日本語能力試験Ｎ２を取得している者は、就労開始時から算定を可能とする。