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2015年度の総合確保基金の執行率は46％

【2015年度の総合確保基金の執行率は46％】目標の達成状況を事後評価

　厚生労働省は９月７日の「医療介護総合確保促進会議」（田中滋座長）に、地域医療介護総合確保基金の交付状況などを報告した。2015年度に、都道府県に対して交付した904億円（医療分）のうち、2016年12月時点で実際に使われたのは419億円で執行率は46％にとどまることがわかった。同会議は厚労省に執行状況を適切に把握するとともに、都道府県が基金を効率的に活用するよう努めることを求めた。
　事業別にみると、①「地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または設備の整備に関する事業」は454億円に対し78億円で、17％②「居宅等における医療の提供に関する事業」は65億円に対し34億円で、52％③「医療従事者の確保・養成に関する事業」は385億円に対し307億円で、80％となっており、①の執行率の低さが際立つ。厚労省は2016年12月以降の執行状況を精査し、次回の促進会議に報告する。
　2015年度の事後評価では、例えば、静岡県の事例で、「急性期病床の転換により、地域包括ケア病棟を４病院で合計154床整備し目標を達成した」などの実績が示された。委員からは「単純に回復期病床を増やすべきではないのに、わざわざ実績として目立たせるのはいかがなものか」との指摘があった。
　2016年度の交付状況については、2016年11月現在の公民の割合が報告された。交付額に占める割合は、公的機関が26％で156億円、民間機関が66％で395億円、交付先未定が９％で51億円だった。ただ都道府県別にみると、大きくばらついており、公的機関は、鳥取県（80％）、三重県（60％）などで多くなっている。民間機関が多いのは、福岡県（97％）、東京都（93％）、埼玉県（91％）などだ。交付先未定は青森県が66％となっている。
　2017年度については、904億円の都道府県別の内示額が示された。基金規模が最も多いのは東京都の92億円、最も少ないのは滋賀県の6.9億円。
　また、国立社会保障・人口問題研究所の泉田伸行部長が、基金の効果的な活用のための研究を報告。個別事業をアウトプット指標で評価し、それを患者・住民が期待する効果としてアウトカム指標で測定する手法などを説明した。