全日病ニュース

介護医療院に関する要望事項を確認

９月の常任理事会で討論

　全日病は９月８日の常任理事会で介護医療院をテーマに討論し、土屋繁之常任理事が厚生労働省とのこれまでの折衝の経緯を報告するとともに、9月13日の社会保障審議会・介護給付費分科会で四病院団体協議会として要望する内容を説明、確認した。
　土屋常任理事は、（1）介護医療院に期待される機能、（2）サービス提供単位、（3）人員配置、（4）療養環境、（5）設備の各項目について説明し、意見交換した。 　全日病は、８月の常任理事会で、会内に「介護医療院協議会」（仮称）を設置することを決めたが、この日は、その座長に土屋常任理事、副座長に木下毅常任理事が就く見通しであることが報告された。
　土屋常任理事の説明内容は以下の通り（抜粋）。
（1）介護医療院に期待される機能
〇介護医療院は、地域包括ケアシステムの５要素（医療、介護、生活支 援、予防、住まい）のうち、介護療養型医療施設が持つ「医療」「介護」「生活支援」に加え「住まい」の機能を持った長期療養を目的とした施設であり、在宅復帰を目指すことが主目的の施設ではない。
〇介護医療院の機能は、次の２種類にするべきである
・療養機能強化型ＡＢ相当とした類型（Ⅰ）
・介護老人保健施設相当以上の類型（Ⅱ）
（2）サービス提供単位
〇病棟に代わる「療養棟」単位でのサービス提供を基本とする
〇小規模病院や有床診療所が転換する場合には、療養棟単位ではなく療養室単位でのサービス提供を可能とすべき。
（3）人員配置
〇介護医療院の類型
（Ⅰ）に求められる人員については、現行の介護療養病床（療養機能強化型）の人員配置を継承するべきである。
○類型（Ⅱ）に求められる人員については、夜間に必要な医療を提供する観点から、夜間の看護職員の配置を念頭に、介護療養型老人保健施設の配置を参考とするべきである。
○医師の宿直は義務とするべきである。ただし、医療機関を併設しない単独型の類型（Ⅱ）については、夜間の医師の体制をオンコールでも良いこととするべきである。
（4）療養環境
○個室・ユニット型を理想とするが、多床室であってもプライバシーに配慮した療養環境を提供することが重要であり、それに対する評価を行うべきである。
○療養室については、１室あたり定員４名以下、床面積８m2/人以上とすべきであるが、転換にあたり、大規模改修まで床面積6.4m2/人以上を可とする等、経過措置が必要である
（5）設備
○処置室、臨床検査施設、X線装置、酸素等のガスを供給できる構造設備など、病院・診療所の設備を参考とする。
○類型（Ⅰ）と類型（Ⅱ）の設備に関する基準は統一するべきである。