全日病ニュース

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自立支援や重度化防止の交付金の評価指標案示す

自立支援や重度化防止の交付金の評価指標案示す

【厚労省・介護保険部会】

 厚生労働省は11月10日の社会保障審議会・介護保険部会(遠藤久夫部会長)に、高齢者の自立支援、重度化防止等の取組みを支援するための交付金に関する評価指標を示した。交付は2018年度からの予定で、厚労省は年度内に指標を確定する方針だ。
 交付金は地域包括ケアシステムの構築等に向けた保険者機能の強化や都道府県による市町村支援を狙いとしたもの。市町村向けの指標案は59項目、都道府県向けは20項目が示された。
 また、新たな交付金に加え、財務省からは調整交付金を活用することも提案されているが、賛否両論が出された。
要介護状態の改善を指標に
 厚労省は指標について「アウトカム指標とプロセス指標を組み合わせる」と説明。各指標について点数化して積み上げ、それに応じて交付する考えだが、詳細は今後検討する。
 市町村向けの指標は、◇PDCAサイクルによる保険者機能の強化に向けた体制等の構築◇自立支援、重度化防止等に資する施策の推進▽介護保険運営の安定化に資する施策の推進─の3つに大別し、計59項目が示された。
 市町村向けの指標案のうち、「PDCAサイクルによる保険者機能の強化に向けた体制等の構築」については8項目をあげた。具体的には、地域包括ケアの「見える化」システムの活用や、2025年度に向けて自立支援、重度化防止に資する施策の目標および目標を実現するための重点施策の決定、介護保険事業計画の目標が未達成の場合の具体的な改善策や、理由の提示、目標の見直しといった取組みを講じているか、などが盛り込まれた。
 「自立支援、重度化防止等に資する施策の推進」としては、①地域密着型サービス②介護支援専門員・介護サービス事業所③地域包括支援センター④在宅医療・介護連携⑤認知症総合支援⑥介護予防/日常生活支援⑦生活支援体制の整備⑧要介護状態の維持・改善の状況等─の8つカテゴリーで計44項目が示されている。
 このうち、⑧要介護状態の維持・改善の状況等では、一定期間における要介護認定者の要介護認定等基準時間と要介護認定の変化率の測定が求められており、状態の維持・改善の割合をみていくこととなる。
 「介護保険運営の安定化に資する施策の推進」については、①介護給付の適正化②介護人材の確保─の2つのカテゴリーで7項目があげられている。
 人材の確保は第7期計画から市町村の任意記載事項となったことから、人材確保に向けた保険者の取組みを評価する。

 

全日病ニュース2017年12月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年8月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/170801.pdf

    2017年8月1日 ... 自立支援・重度化防止の取組み、(5). 人材の確保と資質向上の取組みなどを. あげた。
    そして、(2)医療計画との整合性に. ついては補足的な事務連絡を8月に送. 付する予定
    であること、(4)自立支援・. 重度化防止は市町村の事業計画の指針. に初めて項目
    建てした事項であり、①. データに基づく地域課題の分析②取組. みと目標の計画への
    記載③指標による. 実績評価④インセンティブ(結果の公. 表と財政的措置)の付与という
    プロセ. スを踏みつつ全市町村が保険者機能を. 抜本的に強化して臨ま ...

  • [2] 第3章 医療提供体制のあり方

    https://www.ajha.or.jp/voice/pdf/arikata/200410-02.pdf

    診療機能. に基づく地域医療提供体制の整備状況の検討を行うことにより、優先して
    確保すべ. き医療資源が明確となり、またより実態に基づいた医療圏の再設定が可能と
    なると. 考えられる。 継続的ケアにはケアコーディネーションが不可欠である。現状では、
    多くの ...... 老人保健拠出金. (2002 年度). 3 兆 183 億円. 2 兆 1358 億円. 1 兆 7023
    億円. 全日病では 2002 年版報告書の中で、「現在の国民健康保険と被用者保険では
    被保. 険者の構造に明らかな差が認められ、これは保険者の経営努力により負担できる
    範.

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