全日病ニュース

臨床研修に外科など５科目の必修が復活

【厚労省・医師臨床研修部会】地域密着型臨床研修病院を了承

　医道審議会の医師分科会医師臨床研修部会（桐野高明部会長）は11月15日、卒後臨床研修の必修科目として、外科、小児科、産婦人科、精神科の４診療科を復活させることを了承した。現在の必修科目（内科、救急、地域医療）と合わせて必修は７科目となり、2020年度から実施される。
　2002年度から始まった臨床研修制度は当初、７科目を必修としていたが、2010年度の見直しで研修プログラムを弾力化。３科目必修＋２科目選択必修とした。今回、総合的な診療能力を身につける観点から７科目の必修に戻すことを決めた
。 　また、研修医の都市部への集中を抑制するため、臨床研修病院の募集定員を圧縮することを決めた。現在、研修希望者に対する募集定員の比率を2020年度に1.1倍まで縮小することとしているが、さらに縮小し、2025年度に1.05倍にする。
　地域枠の出身者に限定した研修枠として、地域密着型臨床研修病院（仮称）を指定した上で、地域枠等限定選考を行うことを厚生労働省が提案し、了承された。
　限定枠の上限は、臨床研修期間中に従事要件が課されている者（地域枠等）の２割または５人の少ない人数とする。
　現行のマッチングの仕組みでは、地域枠の医師が診療義務が課された地域で勤務できない可能性があるため、地域枠の医師の選考を一般のマッチングと分けて実施する。
　全日病副会長の神野正博委員は、「地域医療を志しても、地域枠等限定枠に入れないとモチベーションが低下するので、志望者にきちんとした説明が必要だ」と指摘し、厚生労働省は「公平性の観点から、地域枠等限定の採用をあまり大きくできない。試行的な運用で、近い将来に病院の魅力を感じる研修をつくっていきたい」と答えた。