全日病ニュース

全日病ニュース

診療報酬の本体改定率は0.55%に

診療報酬の本体改定率は0.55%に

【厚労・財務大臣折衝】ネット改定率は▲1.19%

 加藤勝信厚生労働大臣と麻生太郎財務大臣は12月18日、2018年度予算編成の大臣折衝を行い、次期診療報酬改定の本体改定率を0.55%とすることを決めた。2016年度の0.49%を上回る引上げとなった。薬価制度抜本改革を含む薬価の引下げにより1,900億円を確保できたため、社会保障費の伸びを5千億円程度に抑えるという目標も達成した。介護報酬改定の改定率は0.54%で、0.01ポイント診療報酬を下回る。
 加藤厚労相は大臣折衝後の会見で、0.55%になった理由を、「医療機能の分化・強化、連携などを進める必要があるが、医療費増は保険料の引上げなど国民負担の増加につながる。それらを総合的に考えた結果」と説明した。
 診療報酬本体改定率の内訳は、医科が0.63%、歯科が0.69%、調剤が0.19%で、医科・歯科・調剤の1対1.1対0.3のこれまでの比率を維持した。本体0.55%の財源600億円をこれらの比率で振り分ける。医科について、入院や外来の配分に関する言及はない。
 薬価改定は▲1.36%(国費▲1,500億円、以下同)で、薬価制度の抜本改革を合わせると▲1.65%(▲1,800億円)となった。これに材料価格改定の▲0.09%(▲100億円)とあわせると、薬価等で▲1.74%(▲1,900億円)の大きな財源を確保することができた。
 薬価制度の抜本改革では、新薬創出・適応外薬解消等促進加算を大幅に見直すとともに、後発品上市後10年を経過した長期収載品の薬価を来年度以降、後発品薬価を基準に段階的に引き下げる。
 2018年度の予算編成では、過去2年と同様に社会保障費の伸びを5千億円程度に抑えることを目標としていた。
 夏の概算要求基準段階では、予算編成までに1,300億円程度圧縮する必要があり、厳しい予算編成が予想されたが、薬価等の引下げで1,900億円を捻出し、診療報酬本体は2016年度を上回る改定率を確保することができた。
 介護報酬も0.54%(140億円)のプラス改定を確保した。障害福祉サービス等報酬の改定率は0.47%(57億円)となっている。

全日病ニュース2018年1月1日・15日合併号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 14年度改定率 ネットで-1.26%。医科は+0.11%|第816回/2014年1 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20140101/news01.html

    2014年1月1日 ... 医科は+0.11%|第816回/2014年1月1日・15日合併号 HTML版。21世紀の医療を
    考える「全日病ニュース」は、全日本病院協会が毎月1日と15日に発行する機関紙です。
    最新号から3ヶ月前まで ... 改定率は本体報酬が+0.1%、薬価および材料価格は-
    1.36%、全体(ネット改定率)は-1.26%と、08年度改定以来のマイナスとなった(8面を
    参照)。 ただし、消費税率の8% ... 別途、後発医薬品の価格等の引き下げ見直しが
    行なわれるため、実際の改定率はさらに下がる見通しだ。 その中で、医科は ...

  • [2] 消費税分を乗せたみせかけのプラス改定|第816回/2014年1月1日 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20140101/news04.html

    2014年1月1日 ... これらには消費税増収分の一部が投入される。この増収分があるが故に、その一部を
    外づけで運用することで、診療報酬はスリムとなってマイナス改定が実現。一方、消費税
    分が上乗せされたためにマイナス改定が一見プラスにみえるカモフラージュが作られ、
    薬価引き下げ分の約5,400億円が一般財源に残るという“手品”が実現した。 この“
    手品”の仕上げに使われたのが財政支援制度(基金)で、あたかも改定率の不足を補
    うかのように改定率と同時に発表された。 機能分化等の基金は14年度904億 ...

  • [3] 第6章 激動期に立ち向かう全日病

    https://www.ajha.or.jp/about_us/50years/pdf/50years_06.pdf

    時に、医療法改正や健康保険法改正をはじめ医療制度を巡る変革の流れは急. で、
    民間病院の行く手には ... 険制度やDRGについては、海外派遣を行い広く海外の実例を
    検証した。また、. 基準看護取得や老健 ...... 医科3.6%)の引き上げとなった。 これを
    診療報酬委員会の西澤委員長は、「薬価. 引き下げ分2.0%、薬価算定ルールの見直し
    に伴. う引き下げ分0.5%、診療材料費引き下げ分0.1%. の計2.6%が医療費ベース
    において引き下げとな. るため、実質改定幅は診療報酬において0.8%、. 医科において
    は1.0%の ...

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。