全日病ニュース

常任理事会で介護医療院について討論

介護医療院に転換後の会員資格について検討

　全日病は12月16日の常任理事会で、介護医療院をテーマに討論した。
　昨年の介護保険法改正によって介護療養病床の受け皿として介護医療院が本年４月に創設されることが決まった。
　多くの会員病院が介護医療院に転換することが予想されることから、全日病は情報収集および転換に伴う課題に迅速に対応するために介護医療院協議会を設置。12月９日に初会合を開いた。
　常任理事会では、第１回の協議会について、議長を務める土屋常任理事が報告した。協議会では、猪口会長が介護医療院をめぐる経緯や中医協における医療療養病床の議論について説明し、続いて土屋議長が介護医療院の基準や基本報酬、転換促進の方策について説明して意見交換を行った。今後は、療養病床を有する会員病院の状況を把握し、具体的なシミュレーションを行いながら、課題を一つ一つクリアしていくことを確認した。
　常任理事会では、医師や介護職員等の介護医療院の人員基準をめぐって質疑が行われた。また、猪口会長より、介護医療院に転換した場合の会員資格について提案があった。
　療養病床から介護医療院へ転換した場合、名称としては「○○病院・介護医療院」などの使用は許可されるが、医療法上の病院ではなく介護保険法上の施設として位置付けられることになる。一方、全日病の定款では、会員資格は「病院の代表者」とされているため、全床を介護医療院へ転換し、医療法上の病床がなくなって、病院として位置付けられなくなった場合の全日病としての対応について検討を求めた。
　猪口会長は、「病院として続けたかったにもかかわらず、国が法律を改正したために介護医療院に移らなければならない立場に追いやられたのであり、全日病の会員として残ってもらう形で規則を改正しなければと思っている」と発言。定款の変更あるいは附則による対応を考えていることを説明した。
　また、定款変更に際して、病院の代表は医師でなければならないとする規定の見直しを求める意見があった。若手の病院経営者を中心に医師のライセンスを持たない経営者が増えていて、全日病の活動に外部委員として参加する例もあるので、非医師の経営者が全日病に加入できるよう定款を改正すべきではないかとの提案があった。