全日病ニュース

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患者の死亡事例の報告受ける

患者の死亡事例の報告受ける

【厚労省・患者申出療養評価会議】

 厚生労働省の患者申出療養評価会議(福井次矢座長)は4月12日、患者申出療養で2番目に認められた重症心不全患者への「耳介後部コネクターを用いた埋込み型補助人工心臓による療法」の死亡を含む3つの事例の報告を受けた。
 大阪大学医学部附属病院が申請して2017年4月1日より開始された同補助人工心臓による療法は、これまで3例に対して実施。同病院が地方厚生局と厚労省へ報告した。
 3例のうち、2例で患者が死亡した。
 脳梗塞と呼吸不全が発生して亡くなった30代男性のケースでは、同病院が、今回の事象は補助人工心臓埋込み術で想定される一般的な合併症であるものの、今後の適格性確認時において術後リスク評価について慎重に適格性の判断をすることを報告した。これに対する国の対応は、療養は継続可とし、同会議での審議は行わないこととした。
 横行結腸穿孔が発生して亡くなった60代男性のケースでは、同病院が、当該医療機器や手術手技との直接的な因果関係は低いとしたものの、当該療養との因果関係は否定できないと指摘。
 同病院の判断で実施計画を見直し、新規組み入れは中止している。
 同事例については、患者申出療養評価会議の技術専門員が同病院に指摘事項を確認。現在、実施計画の見直しを反映した実施届出書の申請待ちの状態となっている。
 同日の会議で委員からは、「あまりにも重症な患者に、この機械が装着され合併症が生じて亡くなったと判断する。この制度は研究の要素があって患者の申出で行われるが、適正な医療の発展を目指すなら、適切な症例のもとで適切な判断ができるような患者に使うべき」、「患者自身の希望で実施しているが、1人当たりの自己負担額は約1,600万円であるにもかかわらず、比較的短期間で亡くなっている」などの意見が出た。

 

全日病ニュース2018年5月1日号 HTML版

 

 

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  • [1] 先進医療Bとの違いがわからない

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20161115/news03.html

    2016年11月15日 ... 厚労省は中医協の意見を患者申出療養評価会議に伝え、今後の評価に活かすとした。
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    基準から外れた患者が対象となった。東大病院は、研究期間を1年、 ...

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年11月15日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/161115.pdf

    2016年11月15日 ... 療養病床や医療療養病床 25対1の受. け皿となる ... 科会には病院団体の委員が入っ
    ていな. い」との懸念が .... 申出療養. 評価会議で審査した上で、10月 14日 ... と同じ
    だが、その適格基準から外れた. 患者が ... などで、実質的に基準を緩めることで. 患者
    申出療養を実施する。ただ評価会. 議でも、「緩めすぎ」との指摘が出た。

  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2015年10月15日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2015/151015.pdf

    2015年10月15日 ... 法人財団董仙会理事長、全日病副会長). は「病院が努力した結果だ。評価され. るべき
    」と評した上で、「本当に、患 .... における薬剤師の配置についてどう考 ..... に国は患者
    申出療養評価会議(仮称) ... いる患者適格基準から外れる患者な.

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