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循環器疾患の緩和ケアで報告書まとめる

循環器疾患の緩和ケアで報告書まとめる

【厚労省・WG】心不全患者に全人的ケア必要

 厚生労働省の「循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方に関するワーキンググループ」(木原康樹座長)は4月6日、これまでの議論を報告書にとりまとめた。今後、「がん等における緩和ケアのさらなる推進に関する検討会」に報告した上で、来年度予算案に反映させる考えだ。
 報告書は、心不全がすべての心疾患に共通した終末期的病態であり、患者数の増加が予想されることから、緩和ケアの対象として心不全を想定。心不全患者の苦痛は、多面的・複合的であり、全人的なケアが必要であるとし、多職種連携、地域連携、医療・介護・福祉連携が重要であると指摘した。
 緩和ケアのチーム体制としては、心不全の多職種チームとがんなどの緩和ケアチームが連携して、「心不全多職種緩和チーム」として治療に当たる考え方を示した。
 循環器疾患では、中小病院や診療所等の地域の医療機関が主体となって診療を行っていることから、緩和ケアの提供においても地域が中心的な役割を担う可能性があると主張。地域の基幹病院は、心不全患者の緩和ケアについて、かかりつけ医と連携することが重要と指摘している。
 心不全は、増悪と寛解を繰り返しながら、徐々に悪化していくことが特徴だ。報告書は、心不全の緩和ケアのニーズの認識と正確な概念が患者や家族、医療従事者間で十分に共有されていないと指摘。がん以外も緩和ケアの対象になりうることや疾患の初期段階から治療と並行して提供されるものであることなどが重要としている。
 緩和ケアの支援を行うに当たっては、がんの緩和ケアと循環器疾患の緩和ケアの共通点・相違点を理解した上で実施することが必要と述べている。

 

全日病ニュース2018年5月15日号 HTML版

 

 

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    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2018/180529_1.pdf

    2018年5月28日 ... 検討会」(平成 28 年 5 月設置)においても、循環器疾患等の緩和ケアについて. 検討す
    べきであるとされたことから、 .... (3) 多職種連携及び地域連携による心不全患者管理
    の一環としての緩和ケアについて .................... 10. 4 心不全患者の ...

  • [2] 脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の整備について

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2017/170802_2.pdf

    2017年7月31日 ...疾患は我が国の死因の第2位、脳血管疾患は第4位と循環器病の死. 因は上位を
    占めて ... な原因の第1位であり、慢性心不全患者の約 20~40%が 1 年以内に ......
    特に、合併症の発症や脳卒中の再発を繰り返す患者に対し、緩和ケアの.

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