全日病ニュース

全日病ニュース

ホーム全日病ニュース(2018年)第920回/2018年7月1日号NDBと介護DB連結の実施体制や費用負担を議論...

NDBと介護DB連結の実施体制や費用負担を議論

NDBと介護DB連結の実施体制や費用負担を議論

【厚労省・医療介護データ解析基盤に関する有識者会議】7月に中間まとめ

 厚生労働省の医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議(遠藤久夫座長)は6月14日、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)の連結解析について議論した。厚労省は、「実施体制」「費用負担」「技術面の課題」のそれぞれについて、論点を示した。
 「実施体制」については、現状、NDBと介護DBはともに厚労省がデータベースの責任主体となって、管理・運営を行っている。
 NDBは、すでに第三者への提供を実施しており、利用者支援のための業務などは、厚労省が外部に委託している。
 今後、NDB と介護DB を連結して解析することを考えると、解析のニーズは質・量ともに増加すると予想される。そこで厚労省は、実施体制としてどのような機能を備えるべきかを論点とした。
 従来からの機能として、◇データベースの保守・管理◇利用者支援◇第三者提供業務―がある。これに加えて、利用ニーズの増加や、解析ニーズの多様化と高度化に応えるため、データ解析機能の充実など、研究利用に資する取組みを行うための機能を備えることも考えられる。
 実施主体にどこまでの機能を求めるかを議論した上で、厚労省が担うべき機能と、他の主体が担う機能との役割分担を検討することを、厚労省は論点にあげた。
 「費用負担」については、現状、NDBと介護DBはともに国が予算措置で費用を担っているが、両者の連結解析を行うことになれば、利用件数は増え、解析は高度化することが予想される。厚労省は、「国による対応を基本としつつ、費用負担について検討が必要」とした。
 構成員からは、「利用者がある程度の費用を負担するのは当然だ。ただし、利用者負担が高額だと利用件数が増えない。まずは、利用件数を増やす観点で、利用料を決めていくべき」との意見があった。
 「技術面の課題」について厚労省は、NDBと介護DBの情報の連結は現時点ではできないが、氏名や生年月日などの情報をもとにして、匿名性を維持した上で、同一人の情報としてデータを連結することが技術的に可能だとして、「技術的手法について検討が必要」とした。
 一方、前回の会合でも議論されたデータベースの法的根拠について、構成員より法改正の進め方について質問が出た。NDBは高齢者の医療の確保に関する法律、介護DBは介護保険法に、データの収集と利用の目的が規定されている。
 厚労省は、各データベースの根拠法を検討し、整合性をとる考えを示した。同検討会は7月に中間とりまとめをして、社会保障審議会の医療保険部会と介護保険部会に報告する予定になっている。

 

全日病ニュース2018年7月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] NDBと介護DBの連結を協議|第919回/2018年6月15日号 HTML版 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20180615/news06.html

    2018年6月15日 ... NDBと介護DBの連結を協議. 【厚労省・医療介護データ解析基盤会議】データの利用
    目的や第三者提供で論点. 厚生労働省の「医療・介護データ等の解析基盤に関する
    有識者会議」(遠藤久夫座長)は5月30日、レセプト情報・特定健診等情報 ...

  • [2] 医療・介護データの連結解析に向けて検討に着手|第918回/2018年6 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20180601/news08.html

    2018年6月1日 ... 厚生労働省の「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」は5月16日、初
    会合を開催した。レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)および介護保険
    総合データベース(介護DB)の連結解析とともに、他の公的データベースとの関係
    について ... 保護法制等との関係②データの収集・利用目的、対象範囲③第3者提供④
    実施体制⑤費用負担⑥技術面の課題(セキュリティの確保を含む)―をあげた。

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。