全日病ニュース

医療広告ガイドラインQ&Aで34項目追加

【厚労省・医療情報あり方検討会】機構認定専門医の広告は今後検討

　厚生労働省の「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」（桐野高明座長）は６月28日、医療広告ガイドラインに関するQ&Aの見直しを大筋で了承した。美容医療サービスの広告に関する消費者トラブルなどに対応し、医療機関のウェブサイトなどを対象とした新たな広告規制が６月１日に、施行されたことを踏まえた措置だ。

　文言修正して公表へ
　Q&A案には、新たに34項目が追加された。厚労省は35項目を提示したが１項目は要検討となった。委員の意見を反映させた文言修正を行い、速やかに公表する予定だ。
　要検討となった項目は、「医療機関の検索が可能なウェブサイトに掲載された治療等の内容または効果に関する体験談」を広告規制の対象とする内容。当初案では、検索ウェブサイトは広告規制の対象となるウェブサイトに該当し、体験談は患者に誤認を与える蓋然性が極めて高いため、体験談の掲載は禁止とした。しかし委員から、「有益な情報が遮断される」との意見があり、引き続きの検討となった。
　今回新たに加わったQ&Aをみると、特定の表現が、広告規制の対象となる最上級の表現や、他と比較して優位性を強調する表現に該当するかの判断に関するものが比較的多い。
　例えば、「最先端の医療」「最良の医療」「最適の医療」「最上の医療」の表現は、誇大広告や比較優位広告に該当し、広告できないことを明確にした。また、「プチ○○○」といった「短時間で、身体への負担が比較的少なく、費用も手軽」との印象を与える表現も誇大広告に該当するとした。
　医薬品、医療機器の販売名を用いた治療は、広告禁止事項だが、ウェブサイトは「限定解除」の対象となり、広告できる。治療効果に関する内容は、裏付けとなる根拠があり、客観的に実証できれば、広告可能である。
　医療機関のウェブサイト自体ではないが、関連するQ&Aもある。医療機関の口コミ情報ランキングサイトは、比較優良広告に該当する可能性があり、広告できない。フェイスブックやツイッターなどSNSに、医療機関の治療等の内容や効果に関する感想を載せたものは、広告に該当せず規制の対象外。ただし費用を払って依頼している場合などは、広告とみなされる。
　日本専門医機構認定の専門医は、現時点では、広告禁止事項だが、ウェブサイトでは「限定解除」の対象で広告できる。なお、今後、厚労省で広告可能事項に追加することの検討が始まる見込みだ。