全日病ニュース

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国民・関係者への普及啓発を協議

国民・関係者への普及啓発を協議

【厚労省・全国在宅医療会議WG】人材育成事業を評価の方針

 厚生労働省の全国在宅医療会議ワーキンググループ(新田國夫座長)は9月26日、国民や関係者に向けた在宅医療の普及・啓発に関し、協議した。在宅医療に従事する医療関係者を育成する講師人材派遣事業を評価する方針が示されるとともに、国民向けの在宅医療のリーフレットを作成することを了承した。今後、親会議の全国在宅医療会議に報告する。
 在宅医療に関わる関係者への普及・啓発では、地域で在宅医療を担うことができる人材を養成するための講師人材養成事業を実施。医師対象の「高齢者向け在宅医療」と「小児向け在宅医療」、看護師対象の「訪問看護」の3分野ごとに、研修プログラムの開発を行っている。相応の経験を積んだ医療従事者には、中央研修を受けてもらう。
 中央研修は、「高齢者向け在宅医療」と「小児向け在宅医療」は2015年度から、「訪問看護」は2016年度から開始。これまでの参加者はそれぞれ約740名、約420名、約240名で、計約1,400名の人材を養成している。
 当日のワーキンググループでは、3分野の主催団体である日本在宅ケアアライアンス、国立成育医療研究センター、全国訪問看護事業協会の代表から事業の内容や課題などの報告を受けた。
 同事業について厚労省は、「養成された人材が地域でどのように活動しているかという実態は十分に把握できていない」ことを問題視。その上で、「来年度、同事業で養成した人材の活動状況の実態調査を3分野共通で実施することを検討している。具体的には、地域での講師としての活動実績や研修後に必要な知識の習得につながったかを評価したい」と提案し、了承された。
 全日病名誉会長の西澤寛俊構成員は、「人材育成事業に対して、積極的に取り組んでいることは評価したい。ただ、地域で研修を受ける対象者は、訪問診療の専門医師や、外来・在宅の両方を担う医師、病院所属で訪問診療する医師など幅広い。こうしたことを踏まえて事業を展開してほしい」と発言した。

 国民向けのリーフレットを作成
 国民への普及・啓発では、ワーキンググループ内の小グループから、2回の議論の結果が報告された。療養の際の選択肢の一つとしての在宅医療に対する理解が深まるよう普及・啓発のリーフレットを作成することとなった。
 リーフレットは、外来に通院中の高齢者を対象に作成。自治体や医療機関等が使用できるよう簡易なものとし、三つ折り両面印刷1枚の様式で作成。地域の実情によってカスタマイズできるサンプルとして提供する。厚労省のホームページにリーフレットのパワーポイント版を掲載し、必要に応じて加工できるようにする。西澤構成員は、「利用者の方々の意見も取り入れ、みんなが手にしたいと思えるような、よいものにしてほしい」と要望した。
 また、厚労省は、2017年度在宅医療連携モデル構築のための実態調査事業の結果を報告。厚労省のホームページに掲載している岩手県釜石市など14地域の事例を集めた報告書の内容を説明した。

 

全日病ニュース2018年10月15日号 HTML版

 

 

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