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医師少数区域で働く医師の認定制度の議論開始

医師少数区域で働く医師の認定制度の議論開始

【厚労省・医師需給分科会】幅広い診療を地域で半年から1年

 厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会(片峰茂座長)は12月12日、医療法・医師法改正法による医師偏在対策の目玉である医師少数区域などで勤務した医師を認定する制度をめぐり、議論を行った。厚労省はたたき台として、認定に必要な業務内容や勤務期間を提示した。委員からは、認定を受けないと管理者になれない病院を地域医療支援病院以外にも広げるべきとの意見を含め、様々な意見が出た。
 2020年度から始まる認定制度では、医師少数区域などで一定期間勤務し、地域医療の知見を得た医師を厚生労働大臣が認定する制度を創設。認定を受けた医師でなければ、一定の病院の管理者になれない仕組みとする。
 一定の病院とは、同分科会で「まずは地域医療支援病院のうち医師派遣・環境整備機能を有する病院」としている。しかし、委員からは、対象となるのが全国586施設の地域医療支援病院の一部に過ぎないなら、医師遍在対策として不十分との意見が相次いだ。厚労省は、法律に「その他の厚生労働省令で定める病院の開設者」も対象になると規定されていることを説明。その対象の選定も同分科会の今後の議論のテーマになるとの考えを示した。
 なお、地域医療支援病院のうち、「医師派遣・環境整備機能を有する病院」の具体的な要件は、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」で検討されている。
 認定医師は医師少数区域などに勤務する医師とするが、医師少数区域をどの範囲で設定するかはまだ決まっていない。認定医師の数をどれだけ期待するかは、医師少数区域の設定に大きく依存する。全日病副会長の神野正博委員は、「この仕組みは医師の研修の側面もあるが、第一義的には、医師偏在解消のための武器である。その観点で管理者になれる病院の範囲を考える必要がある」と発言。これに多くの委員が賛同した。
 なお、医師少数区域で働く医師は、そのまま認定要件を満たす対象になるので、厚労省は、認定を得られる医師の多くは、派遣される医師よりも現に医師少数区域で働く医師が多いとの見方を示した。

業務内容や期間をどう設定するか
 厚労省は、認定を受けられる医師少数区域などでの勤務の業務内容や期間を例示した。
 業務内容では三本柱として、[1]幅広い病態に対応する継続的な診療や保健指導(地域の患者への継続的な診療、診療時間外の患者の急変時の対応、在宅医療)[2]他の医療機関や介護・福祉事業者等との連携(退院カンファレンスや地域ケア会議等への参加)[3]地域住民への健康診査や保健指導など地域保健活動をあげた。
 これに対し、神野委員は、「認定を受けるために、必要な業務というよりも、このような業務ができる医師が医師少数区域に行くという方向性のほうがよいと思う」と述べた。厚労省は、一定の診療能力を身につけていることが前提の臨床研修を終えた医師であり、専門医研修であれば、研修プログラムに則って診療に従事する医師が対象であるとして、特に要件を設ける必要性は低いとの考えを示しているが、他の委員からも、患者の不安を招かない医師が認定されるべきとの意見が出た。
 期間については、厚労省が「6カ月から12カ月」を提案した。原則として、同一の医療機関に週32時間以上勤務し、妊娠・出産・育児・傷病などの理由で中断した場合は、中断前後の期間を合算できるようにする。ただ、委員からは、患者側の立場や地域との関係性を深める意味でも、1年間は必要との意見が多かった。

 

全日病ニュース2019年1月1日・15日合併号 HTML版

 

 

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    であることを一定の医療機関の管理者の要件とする制度も創設される。

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