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ホーム全日病ニュース(2019年)第933回/2019年2月1日号未来に向けた病院運営を考える年に...

未来に向けた病院運営を考える年に

未来に向けた病院運営を考える年に

【四病協賀詞交歓会】新たな技術もいち早く導入

 四病院団体協議会は1月11日、新年賀詞交歓会(新年の集い)を都内のパレスホテル東京で開催した。政界99人(うち秘書81人)、厚生労働省など省庁38人を含め、762人が参加した。
 四病協を代表して全日病の猪口雄二会長が挨拶。元号が変わる新年を迎えて、「人口減少社会により、病院に働きに来る若者が確実に減っていく。外国人の活用もあるが、そんなに多くはやってこない。医療界は新たな技術の導入に、これまで遅れがちであったが、今後はAIやロボティクスなど新たな技術をいち早く取り入れ、未来に向けた病院運営を考えていく必要がある」と述べた。
 昨年決まった2019年度税制改正大綱と2019年度予算案を踏まえた医療機関の消費税問題に対しては、「日本医師会や政界など様々な関係者の力で、設備投資に対する特別償却の拡大など税制上の措置と、医療ICT化促進基金など予算対応がなされ、一応これで決
 厚生労働省は1月11日の「医師の働き方改革に関する検討会」に、医師に対する時間外労働規制の上限案を示した。2024年度から適用となる時間外労働の上限を年960時間、月100時間(例外あり)とする。さらに、地域医療を確保する観点から医療機関を指定して設ける特例水準は、年1,900 ~ 2,000時間、月100時間未満とした。いずれも休日労働を含む。特例水準では、連続勤務時間制限28時間・勤務間インターバル9時間の確保・代償休暇などを義務化する。
 なお、一定の期間集中的に技能向上を図るための特例水準の上限は、まだ明示していない。厚労省は、地域医療の確保の観点とは別の観点で設定する時間数であるとして、別の時間数を設ける考えを示している。
 厚労省の案に対し、救急医療の現場の医師の委員を含め、病院団体など医療側の委員は賛成した。しかし、労働組合側の委員は反対した。同日の検討会でまとめた骨子にも、上限時間は明記されず、引き続き議論を続け、今年度中に決着させる考えだ。着したことになった」と謝意を表した。その一方で、「今後を考えると、個々の医療機関への対応は依然として難しいので、課税化を含めた新たな視点での消費税の議論が求められる」と強調した。
 医師の働き方改革にも触れた。「3月までに医師の時間外労働の特例の上限が決まる。それだけではなく、宿日直や自己研鑽、インターバルの導入など大事な問題がいろいろとある」と指摘。これらに対する規定を設ける上で、「地域医療をいかに守るかという観点」が重要であるとした。

救急医療をはじめ大きな変革の可能性
 日医の横倉義武会長は、「元号が変わる。変わるということは必ず新しいことが起こり、そこにチャンスがある」と述べ、医師の働き方改革に言及した。「医師に対する時間外労働規制は5年の猶予があるが、他の業種は今年4月から法律が施行される。病院には、様々な職種とそれをサポートする職員が働いている。病院のあり方も地域に合わせて、もう一度考え直さなければならない時代になった」と述べた。
 今後は、「救急医療をはじめとして、大きな変革が必要になるかもしれないと思う。医師会は行政と協力し、それぞれの地域で休日当番制、病院輪番制を構築しつつある。しかし、医師会単位でできる地域は減っていくかもしれない。その場合は、もっと広域的な単位で体制を組まなければならない」と、働き方改革と人口減少の両者に対応できる地域に応じた取組みを促した。
 根本匠厚生労働大臣も駆けつけ、挨拶した。「政府として、地域医療構想を通じた医療提供体制の再構築や地域包括ケアの実現に取り組んでいる。あわせて、医師偏在対策や医師の働き方改革を進めており、医師を取り巻く環境は大きく変化している。病院関係者には、引き続き地域医療の確保にとって、必要な役割を果たしてもらいたい」と述べた。

 

全日病ニュース2019年2月1日号 HTML版

 

 

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  • [1] 28時間連続勤務制限、9時間インターバル|第932回/2019年1月1日 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20190101/news04.html

    2019年1月1日 ...厚労省・働き方改革検討会】時間外特例上限の医療機関に義務化 ... この水準
    満たせない場合の特例として、救急医療などを想定した「地域医療の観点から検討する
    もの」と研修医などを想定した「医療の質の維持・向上の観点から検討する ...

  • [2] 医師への時間外労働の上限設定の枠組み示す|第931回/2018年12 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20181215/news01.html

    2018年12月15日 ...厚労省・働き方改革検討会】地域医療の観点や医師の技能向上で特例 ... 脳・心臓
    疾患の労災認定基準」の水準を考慮した水準を、全体が目指す目標とした上で、「地域
    医療の確保」と「一定の期間集中的に技能向上を必要とする医師」の観点 ...

  • [3] 第934回/2019年2月15日 ヘッドライン:全日病ニュース:全日病の発言 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/summary/20190215.html

    2019年2月15日 ... 消費税10%に伴う医療機関の負担で公聴会: 個々の病院に対応できる対策を引続き
    検討すべき. <厚労省・医師の働き方改革検討会> 2024年の規制適用までに ... 特例
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