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2018年度病院経営定期調査の概要

2018年度病院経営定期調査の概要

【日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会】3病院団体が初の合同調査 費用増が収益増を上回り、赤字幅が拡大

 日本病院会、全日本病院協会および日本医療法人協会は、初めて3団体合同で病院経営定期調査を実施し、その結果を1月23日に発表した。1,000を超える病院の経営データを集計し、病院経営の実態を表す貴重な資料となっている。調査結果から、診療単価は増えているものの、費用増が収益増を上回り、赤字額が拡大。病院経営は依然として厳しい状況にあることが明らかとなった。

有効回答の1,111病院のデータを集計
 3団体は昨年度まで、個々に調査を実施していたが、今回初めて合同で調査を実施した。
 調査は3 団体に加盟する全病院(4,424病院)を対象に昨年8月23日~10月19日にEメールまたはFAXで実施。2017年6月と2018年6月の診療収益や1人1日当たり診療収入、延患者数、診療行為別点数、医業損益の前年比、2017年度と2018年度の医業損益の比較などを調べた。1,168病院が回答し(回答率は26.4%)、有効回答の1,111病院について集計した。
 回答病院の属性をみると、日本病院会が実施した前回調査(2017年度、回答数:892病院)と比べ、200床以下の病院の回答が増え、20~ 99床は94.5%の増、100~ 199床は50.9%の増となっている。病床区分では一般が67.4%で最も多く、療養・ケアミックスが25.9%、精神が3.9%だった。療養・ケアミックスの割合が増えている。開設主体別では、医療法人が42.4%で最も多く、次いで自治体23.5%、公的14.9%だった。前回調査に比べ、医療法人が増えている。

(概要)
 2017年6月と2018年6月の診療単価を比較すると、入院・外来ともに2%を超える増加となったが、延患者数の減少の影響により、診療収益は0.90%の微増となった。延患者数は、入院が-0.44%、外来は-3.21%となった。
 2017年6月と2018年6月の医業損益を比較すると、経常利益が赤字の病院の割合は54.1%から53.8%に減少。医業利益が赤字の病院の割合は59.9%から59.7%へ減少し、わずかに改善がみられる。しかし、全病院の平均で費用増が収益増を上回り、赤字額は拡大した。
(稼働100床当たりの医業収益状況)
 稼働100床当たりの医業収益状況は表1の通りである。
 医業収益は、入院診療が+1.5%、外来が-0.7%で、合計で0.9%の微増となった。
 医業費用は+1.4%であり、委託費が+2.5%と大きく増加している。次いで給与費が、1.8%増加していた。費用増が収益増を上回り、2018年6月期の医業利益は-1,381万円、経常利益が-731万円へと赤字が拡大していた。
 一病院当たりの医業損益は、全病院平均の経常利益が前年より143万円減少し-2,245万円。医業利益は、353万円減少し-4,240万円だった。

表1・稼働100床当たりの医業収支状況

(1人1日当たり診療収入(単価)の前年比)
 患者1人1日当たり診療単価を2017年6月と2018年6月で比較すると、入院は2.38%、外来は2.51%となり、ともに2%を超える増加となった。入院の内訳は、DPC対象病院が+2.53%、DPC 対象外病院が+2.00%だった。

診療報酬改定への対応
 調査では、2018年度診療報酬改定への対応を聞いた。一般病棟入院基本料、療養病棟入院基本料、地域包括ケア病棟入院料等の調査結果は次の通り。
(一般病棟入院基本料)
 2018年度診療報酬改定では、一般病棟入院基本料を再編し、急性期一般病棟入院基本料と地域一般病棟入院基本料に分かれた。改定前の2018年3月の一般病棟7対1入院基本料と2018年6月の急性期一般入院料1の病院数は同数(557病院)であり、7対1病床を有していた病院は、概ね7対1相当の看護配置を維持している状況がうかがえた。急性期一般入院料2へ変更した病院は12病院であった(図1)。

図1・一般病棟入院基本料の診療報酬改定への対応

 2018年6月時点の地域一般入院料への移行に関しては、概ね13対1(29病院)が地域一般入院料1および2(26病院)へ移行。15対1(35病院)が地域一般入院料3(34病院)へ移行している状況だった。
 2018年10月の予定に関しては、急性期一般入院料1が505病院と減少し、無回答は81病院(8.9%)に増加していた。
 一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度Ⅰ」の基準を満たす割合をみると、200床以上では89.0%の病院が基準(30%以上)を満たしているが、200床未満で基準を満たす病院は57.9%だった。また、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度Ⅱ」の基準(25%以上)を満たす病院の割合は、200床以上では90.6% で、200床未満では66.1% となっている。
 一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度Ⅰ」を届出している病院のうち、今後届出を変更する予定があると回答した病院が21.2%あった。その中で、「2018年中に変更予定」とした病院が52.6%、2019年1月~6月と回答した病院が36.2%であった。一方、77.1%の病院が変更の予定なしと回答した。
 急性期一般入院料2~7を算定している病院について、急性期一般入院料1の基準を満たさない要件として、最も多かったのは、「重症度、医療・看護必要度」が最も多く、63.2%であった。次いで、平均在院日数が36.4%、在宅復帰・病床機能連携率が35.7%となっている。
 地域一般入院料1の基準を満たさない要件としては、地域一般入院料2を算定している病院では、「『重症度、医療・看護必要度Ⅰ』の測定・評価ができない」が最も多く88.9%であった。また、地域一般入院料3を算定している病院にあっては、平均在院日数(24日以内)をクリアできていない病院が最も多く、71.9%であった。
(療養病棟入院基本料)
 療養病棟入院基本料を算定していると回答した病院は268病院であり、今回の改定により、療養1と2の両方の届出が不可となったため、2018年3月時点で療養2の66病院が、6月に45病院に減少していた。6月の届出病院数は、療養1が214病院(79.9%)、療養2が45病院(16.8%)であり、10月の予定では、療養1・2と経過措置1が減少する一方で、無回答、特別が増加していた。
 医療区分2または3の患者割合は、療養病棟入院基本料1では、基準の80%以上を99.0%の病院が満たし、療養病棟入院基本料2では、基準の50%以上を85.4%が満たしていた。
 また、療養病棟入院基本料1の届出病院で、在宅復帰率が50%以上の病院は、81.6%となっていた
(地域包括ケア病棟入院料等)
 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)は、2区分から4区分に変更となった。一般病床442病院の届出状況では、地域包括ケア病棟入院料2の割合が63.1%(平均病床数46.6床)で最も多く、次に地域包括ケア入院医療管理料2の割合が、18.1%(平均病床数18.4床)となっていた(図2)。
 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)の療養病床38病院の届出状況をみると、地域包括ケア病棟入院料2の割合が47.4%(平均病床数43.2床)で最も多く、次に地域包括ケア入院料1の割合が、21.1%(平均病床数44.5床)となっていた。

図2・地域包括ケア病棟入院料の診療報酬改定への対応

 

全日病ニュース2019年2月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 「医療費の仕組み」:みんなの医療ガイド - 全日本病院協会

    https://www.ajha.or.jp/guide/1.html

    日本の医療費、医療機関を受診した場合の医療費、高額療養費制度、医療費は
    どうやって決まる? ... また、対前年度増減率を見ると、公費負担医療給付分は3.6%の
    増加、医療保険等給付分は3.7%の増加、後期高齢者医療給付分は4.7%の増加
    患者等 ...

  • [2] 平成30年度 病院経営定期調査報告

    https://www.ajha.or.jp/voice/pdf/keieichousa/h30keieichousa.pdf

    2018年12月7日 ... 一般社団法人 日本病院会. 公益社団 .... 調 査 方 法 : 日本病院会、全日本病院協会
    及び日本医療法人協会に加盟する全病院に、診療収 .... 医業費用は+1.4%であり、
    委託費が+2.5%と大きく増加、給与費が次いで 1.8%増加. していた。費用増収益増
    を上回り、平成 30 年 6 月期の医業利益は-1,380 万円、経常利益が-.

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