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ホーム全日病ニュース(2019年)第934回/2019年2月15日号現時点で法人間の病床機能の見直しや融通は未実施...

現時点で法人間の病床機能の見直しや融通は未実施

現時点で法人間の病床機能の見直しや融通は未実施

【厚労省・地域医療連携推進法人連絡会議】5法人が今後実施予定

 厚生労働省は1月25日、地域医療連携推進法人連絡会議の初会合を開いた。現在、法人数は7つ。アンケート調査によると、現時点で、病床機能の見直しや病床の融通を実施している連携推進法人はなかった。多くは、医師の派遣・人事交流や医療・介護従事者、事務職の共同研修などで活用しているようだ。
 地域医療連携推進法人は2017年度に制度化した。地域医療構想達成の選択肢の一つとして、医療機関相互の機能分担や業務連携を進めやすくするため、複数の医療法人などで設立する認定法人である。各法人が社員となり、社員総会を構成し、運営方針を決議する。業務を執行する理事会と意見具申を行う評議会を設ける。
 2017年度には、尾三会(愛知県・東部地域)、はりま姫路総合医療センター整備推進機構(兵庫県・中播磨・西播磨圏域)、備北メディカルネットワーク、アンマ(ANMA)(鹿児島県・奄美大島南部町村地域)が発足。2018年度からは、日本海ヘルスケアネット(山形県・庄内医療圏)、医療戦略研究所(福島県・いわき医療圏)、房総メディカルアライアンス(千葉県・安房医療圏)が参加している。
 初会合では、厚労省から各法人の回答によるアンケート調査結果が示された。競争よりも協調を重視する連携推進法人が、どのような点で効率性を高めているかなどを調べた。制度設計上、法人業務としては、◇診療科や病床の再編◇医師等の共同研修◇医薬品の共同購入◇基金を設けて参加法人に資金貸付◇関連事業者への出資─などができる。
 アンケート調査結果をみると、現時点で、病床機能の見直しや病床の融通を実施している法人はなかった。はりま姫路総合医療センター整備推進機構と医療戦略研究所、房総メディカルアライアンスは、病床機能見直しを今後予定している。病床の融通は、はりま姫路総合医療センター整備推進機構と備北メディカルネットワーク、日本海ヘルスケアネットが実施する方針を示している。
 なお、房総メディカルアライアンスは2018年12月1日発足で、まだ実施している業務がない。
 多くの法人が実施しているのは、看護師の派遣・人事交流と、医療・介護従事者、事務職の共同研修だった。また、7法人とも資金貸付のための基金を設けていない。年会費は5法人が徴収しており、日本海ヘルスケアネットの6万円から、はりま姫路総合医療センター整備推進機構の100万円まで金額には差がある。
 県医師会や地域医師会との連携状況に関する参加法人への質問では、「十分」との回答が100%の備北メディカルネットワークがある一方で、はりま姫路総合医療センター整備推進機構では、75%が「やや不十分」と回答している。

 

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