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2036年の医師偏在解消目指した具体策まとまる

2036年の医師偏在解消目指した具体策まとまる

【厚労省・医師需給分科会】医師少数区域などを設定し医師を確保

 厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会(片峰茂座長)は2月27日、第4次中間とりまとめを大筋で了承した。昨年7月に成立した改正医療法・医師法が4月から順次施行されることを踏まえ、都道府県が主体となって取り組む医師偏在対策の具体策を示した。
 今回の医師偏在対策では、新たな医師偏在指標を開発し、地域間の偏在をより実態に近い指標で表す。これまでは単純な人口10万人対医師数だったが、医療ニーズ、将来の人口・人口構成の変化、患者の流出入、医師の性・年齢、へき地や離島などの地理的条件を考慮した。さらに、外来と入院、診療科に分けた指標も示した。診療科は、産科と小児科を先行させたが、他の診療科の指標も今後作成していく方向だ。
 都道府県と二次医療圏の医師偏在指標を算出し、上位3分の1を医師多数三次医療圏、医師多数区域、下位3分の1を医師少数三次医療圏、医師少数区域とした。医師少数三次医療圏、医師少数区域で医師を増やすことを基本とし、2036年にすべての都道府県が、医療ニーズを満たす医師を確保することを目標とする。
 具体的には、2036年度時点の全国の医師数が全国の医師需要に一致する全国値を算出。医療圏ごとに、医師偏在指標が全国値と等しい値になる医師数を、将来時点における「必要医師数」と定める。必要数確保に向け、地域医療支援センターによる医師派遣調整などの短期施策と、地域枠の設定など長期施策を組み合わせ、実現を図る。
 都道府県が3年間(初年度は4年間)の医師確保計画を策定。2020年度から2036年度までの5回の計画で目標達成を目指す。1回の計画ごとに医師少数三次医療圏と医師少数区域が、下位3分の1の水準から脱却できるようにするための目標医師数を定める。
 なお、現時点で医師偏在指標によると、最も医師の多い都道府県は東京都(329.0)、最も医師の少ない都道府県は岩手県(169.3)で2倍の開きがあった。二次医療圏では、東京都区中央部(759.7)と秋田県北秋田(69.6)で、10倍以上の開きがあった。
 過去10年間、政府は、医学部入学定員を増やしてきた。この臨時増員が2021年度に期限を迎えるため、地域枠の適正化を図るとともに、医師少数三次医療圏と医師少数区域の医師を増やす観点で、医学部定員の設定を見直す。医師の働き方改革で決まる医師の時間外労働規制と、それを踏まえたマクロ推計を行った上での検討になる。
 全日病副会長の神野正博委員は、「強力な偏在対策が講じられなければ、地域の医師不足は解消せず、医師を増やす必要がある」と述べ、必要医師数に届かない地域における医師が十分に確保されるべきであると強調した。
 外来の偏在に対しては、外来医師偏在指標で外来医師多数区域を公表し、開業を計画する医師に他の情報とあわせて提供することで、適切な行動変容を促すことを期待する。外来医師多数区域であるにもかかわらず、開業する医師に対しては、在宅医療、初期救急、公衆衛生を担うよう地域の「協議の場」を通じて、働きかける。
 医師少数区域で半年間勤務した医師を認定する制度については、認定医師でないと管理者になれない病院は、地域医療支援病院のうち、医師派遣・環境整備機能を持つ病院のみとなった。これに関しては、「インセンティブが十分に働かず、効果が小さい。対象範囲を拡大すべき」といった分科会で出た意見を明記している。

 

全日病ニュース2019年3月15日号 HTML版

 

 

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