全日病ニュース

安藤副会長が衆院・予算委員会分科会で質問

医師の働き方改革で財政支援を要請、消費税課税化の議論を提起

　全日病の安藤高夫副会長（衆議院議員、自民党）は２月27日、衆院予算委員会第五分科会で、医師の働き方改革や地域医療構想、控除対象外消費税の問題について政府の考え方を質問した。
　安藤副会長は、働き方改革による時間外労働の上限規制により医師の労働時間が制限されると、新たに２万人の医師が必要となり、その人件費は2,000億円に及ぶとする試算を示し、財政面の支援について政府の考えを聞いた。
　根本匠厚生労働大臣は、医師の働き方改革を進めるため、来年度予算に◇タスクシフティング等勤務環境改善支援事業◇医療機関の勤務環境マネジメント向上支援事業◇医療のかかり方普及推進事業などを盛り込んでいることを紹介し、医師の労働時間短縮を進めるための支援を検討していきたいと答えた。
　地域医療構想に関し、安藤副会長は公私の役割分担について質問。公立病院には相当額の繰入金が入っていることから、民間病院では担うことのできない政策医療が期待されているが、回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟を希望する公立病院も多いと指摘。「同じ土俵であれば、繰入金のない民間病院を優先するのがフェア」と主張し、地域医療構想における公私の優先順位について質問した。
　これに対し吉田学医政局長は、新公立病院改革ガイドラインにおいて、民間ではできない政策医療に重点化するとともに、必要があれば再編統合の議論も要請していると説明。「地域医療構想に関するワーキンググループ」において、公立病院が政策医療に重点化しているかを検証・分析しているところであり、３月中に議論の整理をまとめる予定であることを紹介した。
　控除対象外消費税の問題で安藤副会長は、特に急性期の病院において診療報酬の補てん不足が予想されるとし、「解消するためには課税化の道も必要ではないか」と質問。これに対し大口善德副大臣は、「介護や福祉、教育など他の非課税のサービスへの影響もあり、慎重に検討する必要がある」と述べる一方で、「個別の医療機関においてはばらつきがある」ことを認め、診療報酬によって適切な補てんがなされているかを継続的に検討したいと答弁した。