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サブスペ認定で消化器内視鏡と老年病に厳しい意見

サブスペ認定で消化器内視鏡と老年病に厳しい意見

【医道審・医師専門研修部会】年度内に改めて議論

 医道審議会の医師分科会・医師専門研修部会(遠藤久夫部会長)は2月22日、日本専門医機構が認定するサブスペシャルティ領域を議論した。サブスペ領域をできるだけ抑制するとの観点から、機構に所属する基本診療領域の学会が暫定的に内定していた「消化器内視鏡」や「老年病」の認定を見送るべきとの意見が相次いだ。年度内に改めて議論し、機構への意見をまとめる。
 サブスペ領域の認定を得るには、原則として、基本診療領域の認定を受けている必要がある。機構が認定する19の基本診療領域とサブスペ領域は、医療法での広告可能項目とする予定であり、国民に認知される専門医との位置づけだ。2020年9月頃のサブスペ領域の専攻医募集に向け、今年9月頃にプログラムの募集が始まるため、機構は、4月以降できるだけ早く認定作業を進める方針を示していた。
 一方、サブスペ領域の中には、基本診療領域との密接な関連があり、基本診療領域の研修途中にサブスペ領域の研修が組み入れられるため、重複する期間が存在する「連動研修」がある。連動研修が4月に始まる研修プログラムもあり、年度内に連動研修のサブスペ領域を認定する必要がある。
 機構は、すでに連動研修のサブスペ領域を暫定的に内定している。内科領域では、「消化器病」「循環器」「呼吸器」「内分泌代謝」「腎臓」「肝臓」「アレルギー」「感染症」「老年病」「リウマチ」「消化器内視鏡」「がん薬物療法」。外科領域では、「消化器外科」「呼吸器外科」「心臓血管外科」「小児外科」「乳腺外科」「内分泌外科」。放射線領域では、「放射線治療」「放射線診断」がある。
 新専門医制度を設けた目的の一つは、専門医の乱立を背景に、国民にとってわかりやく、一定の質を担保した標準的な専門医を認定することにある。機構は、サブスペ領域の認定に際し、国民に馴染みがあり、一定規模の病院に診療科があるなどの条件を設けることで乱立を避け、抑制的に対応する方針を示している。
 しかし、同日の専門部会では、連動研修のサブスペの候補となった診療科に対し、厳しい意見が相次いだ。特に、「消化器内視鏡」と「老年病」について、認定を見送るべきとの意見が出た。
 消化器内視鏡に対しては、「サブスペ領域の乱立を避けるべき。技術が普及する度に認定すれば、ロボット支援技術も認定する必要が出てくる」、老年病に対しては、「老人を診ることのできない医師がいたら、おかしいのではないか」などの意見が出た。
 また、厚生労働省は、サブスペ領域を地域医療の確保の観点で整理し、研修体制の基準に、医師偏在対策の仕組みを盛り込むべきとの考えを示した。
 具体的には、プライマリケアに近く、需要の大きいサブスペ領域については、「各都道府県での研修体制」、専門性は高いが一定の患者数が見込まれるサブスペ領域は、「ブロック単位での研修体制」を求める。一方、特殊性が高く、研修できる施設が少ないサブスペ領域には、地理的要件は設けない。

カリキュラム制の考え方を了承
 専門医研修におけるカリキュラム制度(単位制度)の考え方を了承した。研修プログラムに基づき、決められた期間で基幹施設・連携病院をローテートするプログラム制と異なり、カリキュラム制では、研修期間は一定期間内を設定し、一定の基準を満たせば、研修病院に制限を設けない。
 プログラム制を補完する制度との位置づけで、◇義務年限を有する医科大学卒業生や地域枠医師等◇出産、育児、介護等のライフイベントにより、休職、離職を選択する医師◇ダブルボードを希望する医師◇パワハラなどその他相当の合理的な理由がある場合─を対象とする。来年度の研修でカリキュラム制を選択しているのは、105名。

 

全日病ニュース2019年3月15日号 HTML版

 

 

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    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20180601/news16.html

    2018年6月1日 ... 新専門医制度のサブスペ消化器内視鏡を承認|第918回/2018年6月1日号
    HTML版。21世紀の医療を考える「全日病ニュース」は、 ... 日本専門医機構(吉村博邦
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    専門医を認定することを承認した。消化器内視鏡専門医は現行で1万8,520人と数が
    多く、内科、外科、救急科、臨床検査科、小児科、放射線科の6領域にまたがる。

  • [2] 吉村理事長が機構の運営振り返る|第920回/2018年7月1日号 HTML ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20180701/news14.html

    2018年7月1日 ... 基本診療領域の中では、主に内科、外科、小児科が関わる。サブスペに関しては、山下
    副理事長が「(サブスペを認める基準について)もう少し突っ込んだ議論をすべきという
    意見が、四病院団体協議会などから出ている。今後ワーキング ... 制度のサブ
    スペシャリティについて、消化器内視鏡専門医を認定することを承認した。

  • [3] 2018.6.1 No.918

    https://www.ajha.or.jp/voice/topnews/backnumber/pdf/2018/180601.pdf

    2018年6月1日 ... 想区域内で急性期が過剰で回復期が不. 足していること ..... たミクロの領域での均衡を
    意味しな. い」と明記した ...... は5月18日、新専門医制度のサブスペ. シャリティについて
    消化器内視鏡専. 門医を認定することを承認した。消化. 器内視鏡 ...

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