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第4次中間取りまとめ(概要版・案)

第4次中間取りまとめ(概要版・案)

【資料】※3月22日 医療従事者の需給に関する検討会から

はじめに
○第4次中間取りまとめは、平成31年(2019年)4月に施行される改正法の改正事項について、医師偏在指標の算出方法や諸制度の設計の詳細等を取りまとめるもの。
検討事項の検討に当たり留意すべき事項
(省略)
検討結果

(1)医師偏在指標
○地域ごとの医師の多寡を全国ベースで客観的に比較・評価可能な指標として、①医療ニーズ及び将来の人口・人口構成の変化、②患者の流出入、③へき地等の地理的条件、④医師の性別・年齢分布、⑤医師偏在の単位(区域、診療科、入院/外来)の5要素を踏まえた医師偏在指標を算出する。
(省略)
○医師偏在指標は医師確保計画と同様に3年(初年度は4年)ごとに見直し、都道府県の医師確保計画の策定スケジュールに間に合うようにする。
(2)医師偏在是正の目標年について
○医師偏在是正の目標年の設定に当たっては、
・改正法に基づく都道府県知事の要請による地域枠・地元出身者枠の増員等が、2022年度に開始し、その効果が十分に出るのは2036年度以降である
・将来は医療ニーズが減少傾向になることや、遠い将来になればなる程推計の誤差が大きくなることから、余りに遠い将来の時点設定は不適切である
・医療計画の目標設定との整合性の観点から、これらの計画の計画期間の終了時点と合わせることが望ましいことを踏まえ、2036年度を、医師偏在是正の目標年とする。
(3)医師少数区域等/医師多数区域等
○医師少数三次医療圏(都道府県)の基準は、2036年度に全ての都道府県で医療ニーズを満たす医師を確保することを目的に、5回の医師確保計画のサイクルで目的が達成されるよう、医師偏在指標の下位33.3%と定める。
 また、「医師多数三次医療圏」の設定では、医師確保対策遂行上の需給バランスを釣り合わせる観点から、上位33.3%とする。また、二次医療圏と都道府県との間の政策的なバランスの観点から、下位33.3%を「医師少数区域」、上位33.3%を「医師多数区域」とする。
(4)医師確保計画
○「医師確保計画」の内容については、①都道府県内における医師の確保方針、②医師偏在の度合いに応じた医師確保の目標、③目標の達成に向けた施策内容を医療法上定めることとしている。
○都道府県内における医師の確保方針は、以下を基本的な考え方とする。
・医師少数三次医療圏(都道府県)/医師少数区域に関しては、医師を増やすことを基本とする。
・偏在是正の観点から、医師の少ないところは、医師の多いところから医師の確保を図り、医師の多いところは他の区域から医師確保を行わない。
・現在時点の医師不足に対しては短期的施策により、将来時点の医師不足に対しては短期的施策と長期的施策の組み合わせにより対応を行う。
○なお、二次医療圏の医師確保方針については、地域医療構想の方針や交通網の整備状況等を加味した上で、機械的には医師少数区域に該当する場合でも医師少数区域に指定しない等の、実情に合わせた適切な判断を可能とする。
○医師偏在の度合いに応じた医師確保の目標は、3年間(初年度は4年間)の計画期間中に医師少数区域及び医師少数三次医療圏(都道府県)を脱するために要する医師の数とする。
(省略)
○また、地域枠や地元出身者枠の設定数の根拠とするため、将来時点において確保が必要な医師数(必要医師数)を「2036年度において、各二次医療圏及び都道府県の医師偏在指標が医師需要(ニーズ)の全国平均値と等しい値になる場合の医師数」として定義し、これを算出する。
○目標医師数の達成のために必要な施策は、以下の例を参考に実施する。
・医学教育モデル・コア・カリキュラムや医師国家試験におけるプライマリ・ケアや地域教育等の重視
・地域における先進的な取組を都道府県間で共有
・医師少数区域等が医師確保のための取組を行う際に地域医療介護確保総合基金を充分に配分する等の財政的な支援
・地域住民に対する、医療のかかり方に関する啓発や、一定の医療機能の集約
・連携が必要となることへの理解の訴求・大学等も参画する地域医療対策協議会における協議や、協議結果の公表など、エビデンスに基づいた協議やプロセスの透明化による医師派遣調整の実効性の確保
・個々の地域枠等との関係構築
・学生の頃からのフォローや、当事者の意見を踏まえた個別プログラムの策定などによる、離脱しないキャリア形成プログラムの運用
○なお、医師確保計画の効果については、計画終了時点における医師偏在指標の値の見込みを算出し、これに基づいて測定・評価することとする。
(5)医学部における地域枠・地元出身者枠の設定
(省略)
○地域枠については、県内の特定の地域での診療義務を課すことができ、二次医療圏間の偏在を調整する機能がある。特定の診療科での診療義務がある場合には、診療科間の偏在を調整する機能もある。また、臨時定員の増員等と組み合わせた地域枠については、都道府県間の偏在を是正する機能がある。一方、地元出身者枠については、都道府県内における二次医療圏間の偏在調整の機能はなく、都道府県間の偏在を是正する機能が認められる。
○このため、
・将来時点における推計医師数が必要医師数に満たない二次医療圏等がある場合に、二次医療圏ごとの将来時点における医師不足数の合計数を上限として、都道府県は必要な地域枠数を要請できる
・将来時点における推計医師数が必要医師数に満たない都道府県である場合に、当該都道府県における医師不足数を上限として、都道府県は必要な地元出身者枠数を当該都道府県内の大学に要請できる
・地元出身者枠のみでは、医師不足数を満たすことができない場合については、県内の大学の地域枠の設置を要件とした臨時定員の増員及び医師多数都道府県に所在する大学における都道府県をまたいだ地域枠の創設又は増員を要請できることとする。
○なお、将来時点の地域枠等の必要数等と臨時定員との関係について、2022年度以降の臨時定員の取扱については、2021年度までの臨時定員は一度解消され、医師の働き方改革に関する検討会の結論や今回取りまとめた医師偏在対策の方針を踏まえて、臨時定員の取扱いについて、既存の臨時定員に関わらず、新たに議論することになる。
(省略)
(6)診療科ごとの将来必要な医師数の見通しの明確化
(省略)
(7)産科・小児科における医師偏在対策
(省略)
(8)地域における外来医療機能の不足・偏在等への対応
○外来医療機能の偏在に対しては、地域ごとの外来医療機能に関する適切なデータを可視化し、開業に当たっての有益な情報として提供することで、個々の医師の行動変容を促し、偏在是正につなげる。外来医療のサービスの提供主体は医師であることから、医師数に基づく偏在指標として、医師偏在指標と同様に「5要素」を加味した人口10万人対診療所医師数を用いる。新たな医師偏在指標の活用方法を参考に、上位33.3%を外来医師多数区域と設定し、その他開業に当たって参考となるデータと併せて公表する。
○また、今後は、地域における外来医療機能の機能分化・連携の方針等についても、外来医師偏在指標を踏まえながら地域ごとに協議を行い、方針決定することとする。特に、近年、軽症・中等症を中心とした高齢者の救急搬送の件数や、訪問診療の件数が増加しており、外来医師多数区域においては、新規開業希望者に対し、在宅医療、初期救急(夜間・休日の診療)、公衆衛生(学校医、産業医、予防接種等)等の地域に必要とされる医療機能を担うよう求めることとする。
◯この実効性を確保するため、以下の対応を行うこととする。
・開業届出様式を入手する機会を捉え、開業予定地域が外来医師多数区域に含まれることや、当該二次医療圏における外来医療機能の方針について情報提供し、届出様式に、地域で定める不足医療機能を担うことに合意する旨を記載する欄を設け、協議の場で確認できるようにすることとする。
・合意欄への記載が無いなど、新規開業者が外来医療機能の方針に従わない場合には、臨時の協議の場への出席要請を行うこととする。
・臨時の協議の場においては、構成員と新規開業者で協議する場を持ち、その協議結果を公表することとする。
◯なお、今回の外来医師偏在指標の可視化等による新規開業者の行動変容への影響について、施行後速やかに、かつ定期的に検証を行ったうえで、十分な効果が生じていない場合には、無床診療所の開設に対する新たな制度上の仕組みについて、法制的・施策的な課題の整理を進めながら、検討を加えていくべきである。
(9)医師が少ない地域での勤務のインセンティブとなる認定制度
○本制度では、医師少数区域等における医療の提供に関する知見を有するために必要な経験を有する医師を認定するとしており、認定の要件としては、医師少数区域等において一定期間勤務し、その中で医師少数区域等における医療の提供に必要な業務を行う。
(省略)
○認定に必要な医師少数区域等における勤務期間は、地域住民のニーズ等を踏まえると、1年以上継続して勤務することが望ましいが、より多くの医師が多様なキャリアの中で本制度をきっかけとして医師少数区域等における医療を経験できるよう、認定に必要な最低限の勤務期間は6カ月とする。
○認定のための勤務期間においては、原則として同一の医療機関に週32時間以上連続して勤務することとするが、医師免許取得後10年目以降の医師は、断続的な勤務日数の積算によって認定に必要な勤務期間(180日)に達した場合も認定の対象とする。
○認定の対象となる勤務時期としては、都道府県の医療計画において医師少数区域等が定められる2020年度以降の医師少数区域等における勤務を認定の対象とする。なお、臨床研修中の医師は、指導医による指導の下、複数の診療科を経験することが求められており、継続的な診療を行うことは想定されないため、臨床研修中の期間は認定のための勤務期間に含めないこととする。
○認定取得に対するインセンティブの一つとして、2020年度以降に臨床研修を開始した医師が医師少数区域等における医療の確保のために必要な支援を行う病院の管理者となる場合は、その要件に認定医師であることを加えるとされている。この対象となる病院については、第2次中間とりまとめに従い、施行の時点においては、まずは地域の医療機関と連携しながら地域医療を支えるという制度上の目的を有する地域医療支援病院のうち医師派遣・環境整備機能を有する病院とすることが適当であり、今後認定制度の効果について検証を行い、その結果を踏まえた見直しを検討していくべきである。
○今後、将来に向け以下の検討を行う。
・一定の病院の管理者としての評価に加えて、その他医師個人に対するインセンティブや、認定医師によって質の高いプライマリ・ケア等が提供される医療機関等に対する税制、補助金、融資、診療報酬上の評価等の経済的インセンティブの設定について検討を行う。
・都道府県等からの要請に応じて医師を医師少数区域等に派遣することにより、医師少数区域等への医師の配置を一定程度担い、認定制度の実効性を高めるような医療機関に対する経済的インセンティブの設定の検討も行う。
・認定制度の普及が十分でないと考えられる場合には、対象病院の見直しの必要性について検討する。
マクロの需給推計との関係
○今回の取りまとめは、平成28年6月に行った中間取りまとめで示した「医学部定員の増員により医師数の全国的な増加を図ったとしても、医師の偏在対策が十分図られなければ、地域の医師不足の解消にはつながっていかない」との考え方の下、具体的な医師偏在対策をまとめたものである。2022年度以降の医学部入学定員について検討を進めるため、2036年を目標年として対策を行っていくこととなる。
○今後、医師需給推計を行うに当たっては、医師の働き方改革に関する検討結果だけでなく、2036年の偏在是正に必要な対策を行うために必要となる対策も同時に踏まえる必要がある。
○医師の需給推計の結果によっては、近い将来に医師がマクロで過剰となる可能性もある。その際、地域枠設置を要件とする臨時定員をどのように取り扱うかが論点となるが、各都道府県が最大限医師確保対策を図ることを前提とした上で、地域枠の必要数が、各都道府県内の大学医学部における恒久定員の一定の割合を超えている場合、超過分について、地域枠設置を要件とする臨時定員による措置等を検討していく必要があるが、マクロの供給量が過剰とならないよう留意が必要である。

 

全日病ニュース2019年4月1日号 HTML版

 

 

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  • [3] 厚生労働省医政局地域医療計画課、医政局医事課:H31.4.3

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2019/190405_6.pdf

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