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訪日外国人への医療提供でこれまでの議論を整理

訪日外国人への医療提供でこれまでの議論を整理

【厚労省・訪日外国人医療提供検討会】医療機関向けマニュアルも作成

 厚生労働省の訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会(遠藤弘良座長)は3月29日、これまでの議論の整理案と、「訪日外国人旅行者等に対する医療機関向けマニュアル」を了承した。
 議論の整理案は、大きく①医療機関の整備②医療機関向けマニュアル・都道府県向けマニュアル③自由診療における診療価格④医療通訳者の養成・確保・配置⑤医療通訳・ICTツールの役割分担⑥医療コーディネーター⑦その他─で構成。今後の方向性を示した。
 このうち医療機関の整備では、厚労省と観光庁の連名で「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」の選出を依頼する通知を都道府県に向け発出したことを報告した。厚労省は6月中に外国人患者を受け入れる医療機関の情報をとりまとめ、ウェブサイトで公開する予定だ。観光庁も英語・中国語・韓国語に翻訳して、日本政府観光局サイトに掲載する。医療機関リストは定期的に更新していく。
 さらに厚労省は2019年度から新たに「地域における外国人患者の受入体制検討推進事業(仮称)」を実施する。この事業で都道府県は、医療機関や病院団体を含む幅広い関係者からなる協議会を設け、情報共有や連携を強化するとともに、地域の外国人患者受入体制における課題への対応方針を策定する。この協議体で拠点となる医療機関も選出する。
 また新たに「翻訳ICT技術に対応したタブレット端末等の配備事業(仮称)」を実施することも示した。
 都道府県向けマニュアルの作成に向けては、5都道府県の「地域における外国人患者受入れ体制のモデル構築事業」を今年、実施。事業成果などを踏まえ、2019年度中にマニュアルを作成する予定だ。診療価格については、調査研究事業である「訪日外国人に対する適切な診療価格に関する研究」による診療価格の算定方法などを盛りこんだ報告書を初夏にも公開する。

医療機関向けマニュアルを了承
 検討会が了承した「訪日外国人旅行者等に対する医療機関向けマニュアル」では、医療目的で訪日した外国人は対象外。全額自費負担となる可能性がある外国人に対して、医療費概算の事前提示の重要性を強調している。
 意見交換では、日本医療法人協会副会長の小森直之委員が、外国人患者による未収金問題に言及するとともに、医療機関でカード決済を導入することが困難な状況を説明した。「病院は利益率が2%前後しかなく、カード会社に手数料を3%支払うと数少ない黒字の病院も赤字になる」と述べ、導入できない小規模の医療機関が多いと指摘。「何らかの対応が必要」と訴えた。

 

全日病ニュース2019年4月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] の選出及び受入体制に係る情報の取りまとめについて(厚生労働省医 ...

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2019/190327_1.pdf

    2019年3月26日 ... こうした中、厚生労働省が開催した「訪日外国人旅行者等に対する医療の提. 供
    に関する検討会」において、患者や医療機関等の利便性や、行政サービスの. 向上の
    ために、外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめ、2次医.

  • [2] 外国人患者受入れ環境整備にかかる政府の取り組みについて

    https://www.ajha.or.jp/hms/tsuuyaku/pdf/180809_8.pdf

    2018年8月9日 ... 厚生労働省医療国際展開推進室のご紹介. • 外国人患者の医療機関への受診状況. –
    在留外国人・訪日外国人数の推移. – 医療機関における外国人旅行者及び在留外国人
    受入れ体制等の実態調査. – 訪日外国人増加に伴う医療機関への ...

  • [3] 外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2019/190416_1.pdf

    2019年4月12日 ... 訪日外国人旅行者や在留外国人の増加を背景として、医療機関を受診する外国人患者
    が増加し. ています。 .... 出所:厚生労働省「医療機関における外国人旅行者及び在留
    外国人受入れ体制等の実態調査」結果を基に作成). ※1 「外交官と ...

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