全日病ニュース

臨床研修病院への実地調査を第三者機関に代替

【医道審・臨床研修部会】JCEPを第三者機関に想定

　医道審議会の医師分科会・医師臨床研修部会（桐野高明部会長）は５月29日、臨床研修病院の指定継続を都道府県が判断する際の病院への実地調査について、第三者機関が実施できることを了承した。第三者機関は、国がこれまで実施してきた訪問調査による評価や、研修医へのインタビューを行う。同日は、卒後臨床研修評価機構（JCEP）からヒアリングを行い、これらを実施できることを確認した。
　昨年度の医療法等改正により、臨床研修病院の指定権限が国から都道府県に移管される。これに伴い、これまで厚生局が実施してきた臨床研修病院への実地調査も都道府県が実施する。ただ、都道府県の判断には、評価にばらつきが生じる懸念が指摘されており、第三者評価を導入する必要があるとの意見が同部会から出ていた。一方で、臨床研修病院は1,000施設以上あり、2020年度以降に第三者評価を一律に設けるのは難しい状況にある。
　厚生労働省は今回、「臨床研修病院の指定の継続の可否を判断するために都道府県が行う実地調査については、第三者機関による評価に代替できること」を提案。委員から了承を得た。
　ただし、第三者機関に代替できるのは、①国がこれまで訪問調査で実施してきた評価項目を評価し、研修医へのインタビューを行う②研修部会報告書に基づき、総合評価をこれまでの３段階評価から４段階評価で行う─場合に限ることも決めた。
　同日は、第三者評価の実施機関として想定されるJCEPからヒアリングを行った。
　全日病副会長の神野正博委員は、これまでの評価項目の評価や研修医へのインタビューなどとあわせ、第三者評価の機能を果たせるかを岩崎榮専務理事に質問。「可能」との回答を得た。また、神野委員は、「実地調査の代替」の部分と「改善を目的とする機能」を切り分け、「改善」の部分は病院が費用負担するなど、整理が必要と指摘した。