全日病ニュース

全世代型社会保障検討会議が初会合

【政府】年内に中間まとめ。来年６月に最終報告

　政府の全世代型社会保障検討会議（安倍晋三議長）は９月20日、初会合を開いた。少子化・高齢化やライフスタイルの多様化に対応し、誰もが安心できる社会保障制度の検討を行うために発足した。負担と給付の問題も重要なテーマとなる。医療や年金、介護など社会保障の制度を所管する厚生労働省と同会議との関係も注目される。
　９月19日、内閣官房に検討会議の事務を担当する全世代型社会保障検討室を立ち上げた。室長には杉田和博内閣官房副長官、室長代行に古谷一之内閣官房副長官補が就いた。
　議長代理の西村康稔・全世代型社会保障改革担当大臣が初会合後に会見。検討会議の概要を説明した。議長は安倍晋三首相が務め、財務大臣、官房長官、総務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣の５関係大臣と、有識者が委員として参加する。
　初会合で社会保障の現状と今後の進め方を確認した。
　その上で、
①これまでのような社会保障の見直しでなく、社会保障システム全体を改善
②70歳まで就業意欲のある人の就業機会を作るための制度を法制化
③人生100年時代に対応するために高齢者、子ども、子育て世代、現役世代が安心できる、年金をはじめとする社会保障全般を議論
─することを決めた。
　西村大臣は、「財政のみの視点で社会保障を議論するわけではない。安心できる社会保障システムを次世代に引き継いでいくために検討する」と強調した。委員の構成については、「関係省庁の審議会の代表に集まってもらった。中小企業、地方、若者、女性の視点を取り入れる。与党も、社会保障改革について幅広い層からヒアリングを行うと聞いている。全世代が安心できる社会保障を検討する」とした。
　加藤勝信厚労大臣は会議で、「全世代型社会保障制度の構築は、厚労省の最大のミッション。団塊ジュニア世代が高齢期を迎える2040年を見据え、社会保障制度全体をトータルに議論していく」と発言した。
　年内に中間とりまとめを行い、必要な関係法案を来年の通常国会に提出する。介護関連法案、年金関連法案、高年齢者雇用安定法改正案などが想定される。来年６月に最終報告をまとめ、骨太方針2020に明記される運びだ。