全日病ニュース

基本計画策定に向け協議会が初会合

【循環器病協議会】18団体からヒアリングを実施

　厚生労働省は１月17日、循環器病対策推進協議会（永井良三会長）の初会合を開催した。昨年12月に成立した循環器病対策基本法を踏まえ、夏頃までに第１期の循環器病対策推進基本計画の策定を目指す。第２回目は２月３日に開かれ、初会合に引き続き、関係団体からヒアリングを実施した。
　循環器病対策基本法は、脳卒中や心臓病などの循環器病対策を総合的・計画的に推進し、健康寿命の延伸と医療・介護の負担軽減を図ることが目的。国の基本計画に基づき、都道府県が循環器病対策推進計画を策定する。その際に介護保険事業計画と調和の取れた計画とする。基本計画は、少なくとも６年ごとに見直す。
　循環器病対策推進協議会は、夏頃までに基本計画案を策定する予定。その後、政府が基本計画を閣議決定し、国会に報告する運びだ。初会合と第２回目の会合で、学会や職能、患者団体など18団体からヒアリングを行った。
　患者団体からは、保健・医療・福祉の体制整備において、機能を集約化した「センター化」を求める意見が出た。これに対し、全日病副会長の美原盤委員は、「特に、慢性期の対応では機能の集約化よりも、地域包括ケアの中で、身近な機関が対応するほうが大事ではないか」と問題提起した。
　厚労省は、循環器病の現状を説明。◇心疾患は死亡原因の第２位、脳血管疾患は第４位で、両者を合わせた循環器病はがんに次ぐ◇介護が必要となった主な原因は、脳血管疾患が16.4％、心疾患が4.6％で、両者を合わせた循環器病は21.2％と最多◇2017年度の医科の医療費30兆8,335億円のうち、循環器病が占める割合は６兆782億円で２割―などを示した。