全日病ニュース

全日病ニュース

ホーム全日病ニュース(2020年)第959回/2020年3月15日号救急救命士の救急外来での活用を提案

救急救命士の救急外来での活用を提案

救急救命士の救急外来での活用を提案

【厚労省・救急災害医療検討会】33項目の救急救命処置は現行どおり

 厚生労働省の救急・災害医療提供体制等のあり方に関する検討会(遠藤久夫座長)は3月4日、現場と救急搬送中に限定している救急救命士による救急救命処置を「救急外来」で実施できるようにするとの報告書をまとめた。33項目の救急救命処置は現行どおり。実現には法改正を伴うが、通常国会に提出できるかは不透明な状況だ。
 救急救命士の院内での活用は、医師の働き方改革を推進する上で、医師から他業種へのタスク・シフトの一環として、病院団体が強く主張してきたものだ。今回、従来の「病院前」から延長して、救急外来まで救急救命処置を実施可能とし、病院に所属する救急救命士が、医師の指示の下で、重度傷病者に胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージ)など救急救命処置を実施することを想定する。
 救急外来の法令上の定義はない。傷病者が一連の診療により入院または帰宅となるまでに必要な診察・検査・処置等を受ける場と位置づけ、診察室や処置室が一般的な場になる。委員からは、病棟での活用を求める意見もあった。しかし、病棟での病態急変のために看護師が配置されていることや、医師や看護師が不在の場合は、救急救命士にかかわらず、「緊急避難的処置」として整理されるとして、除外した。
 救急車やドクターヘリだけでなく、ウォークインで来院することもある。この場合は、重度傷病者と医師が判断すれば、救急救命士による救急救命処置を可能とした。
 救急救命士の資質や業務の質を担保するため、医療機関には院内委員会の設置を求める。その上で、◇救急救命処置の範囲等の規定◇検証を行う体制◇組織内の位置づけ─を整備する。

 

全日病ニュース2020年3月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2017年8月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2017/170801.pdf

    2017年8月1日 ... に関する検討会」(遠藤久夫座長)は6. 月30日、2025年に向けて増加する介護 ... てる
    上で、「退院支援」、「急変時の対. 応」、「看取り」のそれぞれの機能ごと ... 人材の確保と
    資質向上の取組みなどを. あげた。 そして、(2)医療計画との整合性 ...

  • [2] 2012年4月1日号

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2012/120401.pdf

    たが、座長遠藤久夫学習院大学教授). を除く16名の構成員からは活発な意見 ... 宅
    療養患者の急変に対応できる体制の. 整備が行われた。 急性期看護補助体制加算
    では ... Ⅲ. 病院資質の向上に資する医師その. 他病院関係職員の実務的、理論的及び.

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。