全日病ニュース

全日病ニュース

外国人患者受入れの実態調査示す

外国人患者受入れの実態調査示す

【厚労省・外国人旅行者等への医療提供検討会】未収金経験した病院は12.4%

 厚生労働省は2月28日の「外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」(遠藤弘良座長)に、「医療機関における外国人患者受入に係る実態調査結果(速報値)」を報告した。「地方自治体のための外国人患者受入環境整備に関するマニュアル」の完成版も示した。同日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、会場には集まらず持ち回り開催とした。
 「医療機関における外国患者受入に係る実態調査結果(速報値)」は、昨年の9~ 12月に全国すべての病院と沖縄県・京都府の診療所(歯科含む)を対象に行ったアンケート調査。診療費請求方法や医療通訳の配置など医療機関の外国人受入れ体制と、患者数や未収金発生件数など実績の把握を目的に行った。病院に対する「受入れ体制」の調査の回収数は5,424件で回収率は64.8%、「実績」の調査の回収数は4,534件で回収率は54.1%となっている。
 「実績」をみると、外国人を受入れた病院は約5割(53.0%)だった。2018年調査の49.5%と比べ、微増した。都道府県が選出する拠点病院に限ると、約8割(82.5%)で受入れがあった。
 未収金は昨年10月の1カ月間の状況を調べた。10月に受入れ実績のあった2,402病院のうち、298病院(12.4%)が外国人患者による未収金を経験したと回答した。病院当たりの未収金の発生件数は平均5.8件で、総額は平均36.9万円だった。発生件数、総額ともに、2018年調査と比べ、微減している。
 自由診療となる診療価格について、ほぼすべての病院が診療報酬点数表の倍数計算(1点=〇〇円と換算)で請求していた。全体では6割の病院が1点20円で請求していた。
 外国人コーディネーターを配置している病院は112病院で全体の2.1%にとどまった。病院ごとのコーディネーターの人数は1人~ 13人で、平均2.5人・中央値2人となっている。

 

全日病ニュース2020年3月15日号 HTML版