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ホーム全日病ニュース(2020年)第960回/2020年4月1日号循環器病対策推進基本計画の骨子案を議論

循環器病対策推進基本計画の骨子案を議論

循環器病対策推進基本計画の骨子案を議論

【厚労省・循環器病協議会】「一律の集約化はリスク大きい」美原委員

 厚生労働省の循環器病対策推進協議会(永井良三座長)は3月19日、循環器病対策推進基本計画の骨子案をたたき台に議論した。委員からは計画の意義や予防の重要性、相談支援体制の充実などに関し、様々な意見が出た。同日の委員の意見を踏まえ、厚労省は、骨子に文章を肉付けしたものを次回会合で示し、引続き検討する。
 基本計画は「健康寿命の延伸・年齢調整死亡率の減少」を目指し、「予防や普及啓発」「保健、医療、福祉サービス提供体制の充実」「循環器病の研究推進」を柱としている。医療計画や介護保険事業計画とあわせ、6年あるいは3年計画とする予定だ。
 前文では、国がこれまで循環器病の対策を進め、一定の成果をあげていることを示したが、委員からは「なぜ今計画を作る必要があるかの国民への訴求力が足りない」との指摘があった。他の委員からも同様の意見があり、国民の循環器病へのリテラシーを高めるための文言を加える方向になった。
 予防については、発症する前の予防だけでなく、2次、3次の予防があり、すべての段階で生活習慣の改善などが予防に効果があることを、概念図などで工夫して示すことの要望があった。
 相談支援体制では、適切な医療を受けられる医療機関を紹介するような機能が必要との意見が出た。これに対し全日病副会長の美原盤委員は、「患者が直接、循環器病に関して相談するのは簡単ではないと思う。むしろ、診療報酬などでも医療機関内の入退院支援を含めた相談体制の充実が図られており、それを標準化する中で、患者に情報提供する体制を地域で構築していくことが望ましい」と述べた。 
 医療提供体制については、地域医療構想の実現に向けた取組みや「在宅医療の推進、各専門医を含めた医療従事者の確保など、地域の実情に応じた医療提供体制の構築を進める」と明記されている。
 これに関し、「心臓血管外科領域の集約化」などを求める意見が出た。美原委員は、「集約した方が治療成績がよい領域はある。しかし全国一律に集約化を図るのはリスクが大きい。地域医療構想のように地域の実情に応じて提供体制を考えるべきだ」と強調した。

 

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