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緊急事態宣言に伴い経済対策を決定

緊急事態宣言に伴い経済対策を決定

【政府】厚労省補正予算案は1兆6,371億円

 政府は4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言を発令。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に外出自粛の要請を徹底した。あわせて、事業規模108兆円(財政支出分39.5兆円)の緊急経済対策を閣議決定した。GDPの2割に相当する規模で過去最大。1世帯当たり30万円の給付金や中小企業・小規模事業者に対する支援を盛り込んだほか、医療体制整備の費用を計上した。
 緊急事態宣言は、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく措置。宣言を受けて、7都府県の知事が具体的措置を示す。爆発的な感染拡大と医療崩壊を防ぐため、住民に対して不要不急の外出の自粛を求めるほか、学校や福祉施設、保育所の休業の要請・指示、映画館や百貨店などの大規模施設の使用制限を行う。
 また、知事には医療体制を強化するために権限が与えられ、臨時の医療施設を開設するための土地・建物の収容が可能となるほか、事業者に医薬品や食料品の売り渡しを要請できる。
 同日、閣議決定した緊急経済対策は、「雇用の維持、事業の継続、そして生活の下支えを当面、最優先に全力で取り組む」との観点で施策を盛り込んでいる。5本の柱のうち、第一の柱は、主に医療面に関わる施策で、「感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」とした。厚生労働省補正予算案としての金額は1兆6,371億円。うち9,101億円は労働保険特別会計から支出される。
 補正予算の主な内容は以下のとおりだ。医療提供体制の整備では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を創設し、受入れ病床の確保や応援医師・看護師の派遣、軽症者の療養体制などを都道府県が実施できるようにする(1,490億円)。
 人工呼吸器の確保は2万台の確保を目指し、メーカーなどに増産や輸入拡大を要請するとともに、国で必要な量を確保する(265億円)。体外式膜型人工肺(ECMO)は正しく扱える知識を持った医師、看護師、臨床工学技士を養成する研修などの費用を計上した(4.3億円)。
 新型コロナウイルス感染者への医療は公費で負担する。また、情報通信機器による服薬指導を行った患者に対して、薬局が薬剤を配送する費用を支援する(188億円)。一方、医療機関が感染防止に留意した対応を図った場合の費用は、診療報酬での特例措置を検討する。
 ワクチン・治療薬の開発促進は275億円を計上。既存の治療薬の治療効果や安全性の検討などの研究を支援する。治療薬の候補である抗インフルエンザ薬のアビガンの追加購入分が139億円を占める。医療機関などに優先配布するサージカルマスク、N95マスク、ガウン、フェイスシールド、消毒用エタノールを国で買い上げる費用は1,838億円となっている。
 新型コロナウイルス感染症の影響により休業または事業を縮小した医療・福祉事業者への資金繰りの支援では、福祉医療機構による無利子・無担保の危機対応融資を拡充する(41億円)。

 

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