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新型コロナで5項目の緊急提言

新型コロナで5項目の緊急提言

【議員の会】一般病院の収入源への影響を懸念

 国民医療を守る議員の会は3月27日、「新型コロナウイルス対策についての緊急提言」を加藤勝信厚生労働大臣に提出した。現場の医療確保を最優先課題に位置づけ、「有事の今こそ、国をあげた対応が必要」と強調。あらゆる資源を集中投入し、国民の安心を確保する必要があると主張している。
 「議員の会」の会長代行は鴨下一郎衆議院議員、幹事長は武見敬三参議院議員。会長は加藤厚労相であったため、現在は空席となっている。
 緊急提言の手渡し後、武見幹事長は、緊急提言の中で、新型コロナウイルス患者発生による風評被害を含めた受診患者の減少による一般病院の収入源の影響を懸念し、「福祉医療機構が特別の融資を実施しており、中小企業対策の緊急融資もある。しかし、融資であるため返済が必要。返済の必要のない支援を検討する必要がある」と述べた。
 また、横浜港のダイヤモンド・プリンセス号の対応に参加した医療従事者への報酬が支払われていない点を指摘。米国などでは、「有事」の際に資金を配分するシステムがあるが、日本には存在せず、新たな財源システムの構築が必要であることも訴えた。
 提言は5項目。◇医療提供体制の抜本的強化のための基金の設置◇新型コロナウイルスと戦うヒト・モノの確保◇新型コロナ患者を受け入れる医療機関等への支援◇患者等が発生した場合の医療機関等への休業補償等◇治療薬・ワクチン・簡易検査キット等の開発・普及促進─からなる(右表を参照)。

新型コロナウイルス対策の緊急提言の5項目
① 医療提供体制の抜本的強化のための基金の設置
 今、最優先課題となっている医療の確保のため、臨機応変に必要な対策が大胆に実行できるよう、新型コロナウイルス対策のための基金を設置し、人員の確保、医療提供体制の抜本的な強化、陽性無症状患者の隔離施設の確保等を図ること。

② 新型コロナウイルスと戦うヒト・モノの確保
 感染拡大に備え、呼吸器疾患の専門医・看護師、人工心肺(ECMO)を稼働させる臨床工学技士などの人材の確保、そして、人口呼吸器、ECMO、陰圧設備等の医療機器の整備、および、マスク・ガウン等の医療資材の確保を行うこと。特に、世界的に不足が生じている人工呼吸器等の資機材を国が一括して買い上げるなど、前例のない取組みを行うこと。

③ 新型コロナ患者を受け入れる医療機関等への支援
 今後、生じ得るまん延期においても、症状の状況変化に的確に対応できる医療体制が確保されるよう、感染リスクと戦いつつ昼夜の別なく懸命に治療を行っている医療機関を支えるため、現行の診療報酬に加え、上乗せの支援を行うこと。

④ 患者等が発生した場合の医療機関等への休業補償等
 患者や職員に新型コロナ患者が発生し外来診療の停止等を余儀なくされたり、感染リスクをおそれるあまり受診者が減少するといった経営上の問題が生じている。医療機関がまん延期でもその役割が果たせるよう、診療再開時の支援のほか、休業補償や減収補填を行うこと。

⑤ 治療薬・ワクチン・簡易検査キット等の開発・普及促進
 必要なPCR検査が確実に受けられる体制の確保とともに、既存薬の有効性確認等の研究を進めること。また、抗ウイルス薬、ワクチン、簡易検査キット等の研究開発を事業者が安心して実施できるよう、研究開発投資、開発成功時の製造設備、備蓄まで見据えた一貫した支援を行うこと。そのための、政府内における治療方針の確立を含め、研究と開発に関する司令塔機能を早急に確保すること。

 

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