全日病ニュース

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病院機能評価受審に向けて

病院機能評価受審に向けて

医療法人春風会樫村病院 事務部主任 樫本 知也

 当院は、香川県の「高松市」と「さぬき市」に挟まれた木田郡三木町にある37床の小さな病院です。この地で半世紀以上にわたって地域に根ざした、地元に寄り添う医療を行ってきました。
 昨今の当院を取り巻く環境は、「近隣地域の医療資源不足」「地域住民の高齢化」など急速に変化しており、それに伴い「高度急性期医療機関からの患者受入れ」「在宅や近隣介護施設からの救急患者受入れ」「地域や住民からの幅広い診療科対応」など多種多様な役割が求められてきています。
 それら地域のニーズに応えるため、当院ではまず、三木町周辺の地域包括ケアシステムの構築を目指し、2017年に電子カルテの導入、2018年に急性期医療を基盤とする地域包括ケア病棟に全床再編(全床は県内唯一)するなど様々な取り組みを行ってきました。
 次に当院が取り組むのは、病院機能評価の受審ではないかと考えました。
 当院にとって病院機能評価受審は初めてとなりますが、当院が受審する目的は、医療機関としての全国標準レベルの「医療の質」と「組織の質」の向上と、すべての業務の標準化であり、病院機能評価項目をそのツールとして活用したいと数年前から院長と話していました。
 当院が、患者様の多様なニーズに応え、地域に必要とされる医療機関として存続していくためには、永続的に病院の各部門・職員が時代に応じた業務の質の向上・改善を図っていき、組織として常に成長し続ける必要があると考えます。
 受審を通して、職員に業務改善・問題解決に取り組み実践するプロセスを学び、その文化が根付くことを期待しています。
 最後に、当院は地方の小さな病院であり、人材や予算には余裕がなく、「職員に過度な負担をかけられない」「コンサルタントを依頼する余裕がない」などの障壁もありましたが、幸いこの度、受審を目指せたのは、「認定率向上キャンペーン」により全日本病院協会のサポートが受けられることとなったおかげです。本当にありがとうございます。
 自院の課題や問題点を客観的に確認でき、それを解決し、当院がより良い組織として成長できることと期待しています。
 病院機能評価の受審に向けて当院の現状は、初めての受審ということもあり、規程や手順書などのドキュメント不足など見えている課題の他、まだ気づいていない課題・問題など、まだまだ多くの解決すべき事柄が山積しています。
 また、新型コロナウイルス問題の影響により普段と異なる状況に、院内の職員にも不安の色は隠せません。しかし、このような状況下ですが、全職員が一丸となり目標に向かって前向きに進んでいきたいと思います。

 

全日病ニュース2020年5月15日号 HTML版