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安倍首相が緊急事態宣言の延長を宣言

【政府】感染や医療提供体制の状況で対象地域を判断

　安倍晋三首相は５月４日、新型コロナ感染症の拡大に伴う緊急事態宣言を５月31日まで延長することを表明した。諸外国のような爆発的な感染には至らず、これまでの取組みに一定の成果があったとしつつも、医療提供体制がひっ迫している地域があり、当面、現状の措置を続ける必要があると判断した。
　政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議（脇田隆字座長）の報告によると、国内の新規感染者は４月27日以降、減少傾向にあるが、患者の多くが入院し続けており、「入院患者を引き受ける医療機関への負荷は 現状でもぎりぎりの状況にある」。報告を踏まえ、安倍首相は、緊急事態宣言を延長した。安倍首相は一方で、社会経済への影響を懸念。専門家会議の分析を評価した上で、可能と判断すれば、５月31日より前の解除もあり得ると述べた。
　緊急事態宣言の対象は全都道府県だが、対象地域の判断は感染状況や医療提供体制を踏まえて、基本的対処方針諮問委員会の議論を経て、政府が決定する。医療提供体制は、◇医師が必要と認めるPCR等の検査◇院内感染の制御◇救急医療などその他の一般医療への影響◇医療機関の役割分担の明確化や患者受入先の調整機能◇重症・重篤例の診療体制などにより判断する。
　専門家会議は、病床の確保において医療従事者や人工呼吸器などの器材、個人防護具などを含めた実際に運用可能な｢有効病床数｣を確保することが必要と強調した。軽症者に対しては、患者の急増に備え、宿泊療養につなげる環境整備に取り組むことを求めた。
　引続き進捗をモニターし、５月半ばに分析結果に基づいて政府に提言する。