全日病ニュース

ホーム > 全日病ニュース(2020年) > 第966回/2020年7月1日号 > 感染症拡大時・災害時に医療機関で手術情報等の活用を
全日病ニュース

感染症拡大時・災害時に医療機関で手術情報等の活用を

感染症拡大時・災害時に医療機関で手術情報等の活用を

【厚労省・健康・医療情報利活用検討会】夏の工程表策定に向け意見まとめる

 厚生労働省の健康・医療・介護情報利活用検討会(森田朗座長)は6月15日、健康医療情報の活用について意見をまとめた。政府が夏にまとめる工程表に向けて、今後の方向を示した。救急・災害・感染症拡大時などの緊急時に、かかりつけの医療機関を受診できない場合などを想定し、手術や透析などの情報を患者本人と医療機関が確認できる仕組みを速やかに構築する方向を示した。
 マイナンバーカード等を用いて、医療機関の窓口で即座に保険資格情報を確認できるオンライン資格確認の運用が2021年3月からスタートする。このシステムを用いて、2021年3月からは特定健診情報を患者本人と医療機関がみられるようになる。2021年10月には、レセプトに基づく薬剤情報も確認できるようになる。
 さらに、政府の骨太の方針2019では、その他のデータ項目を医療機関等で確認できる仕組みを推進するため、2020年夏までに工程表を策定することを決定した。
 健診・検診情報についてもPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の推進のため、2022年度をめどに標準化された形でデジタル化し、データを蓄積する方策を検討するため、2020年夏までに進め方を決めることにしていた。
 これを受けて同検討会は、夏の工程表策定に向けた検討を行い、意見をまとめた。
 総論として、平常時だけでなく、新型コロナウイルスのような「感染症の拡大・流行期」や、病院のデータが確認できないケースが生じうる大地震などの「災害時」、意識障害等があり患者本人から情報が得られないことのある「救急医療の現場」などで、医療情報を確認できるようにするための準備を速やかに進める方向を示した。
 情報活用の手段としては、オンライン資格確認システムやマイナンバー制度などの既存のインフラをできる限り活用する方針だ。情報活用のための費用負担については、「速やかに結論を得る」との記載にとどめた。
 医療情報の活用に関しては、2021年10月に薬剤情報の確認が可能になるが、さらにレセプトに基づく手術情報などを活用していくべきとした。患者の受診した医療機関名や、診療報酬が算定される手術・移植、透析といった診療行為の項目などについて、患者本人と医療機関が情報を活用できる仕組みを構築する方向を示した。
 とくに医療情報の共有が有用であると想定される事例として、◇救急・災害・感染症拡大時などの緊急時に、かかりつけの医療機関を受診できない場合◇複数の医療機関等を受診する患者を総合的に診療する場合◇高齢者など、患者本人の記憶があいまいな場合―をあげた。
 全日病常任理事の高橋肇委員は、在宅医療など医療機関外の医療現場で利用するモバイル端末でも、患者の薬剤情報等を確認できるのかと質問。これに対し厚労省は、「訪問看護ステーションや訪問診療でも健康・医療情報を活用してもらわないといけない。モバイル端末でも確認できるように取り組んでいきたい」と回答した。
 高橋委員は、医療情報の活用において生じるコストについても質問。厚労省は、「オンライン資格確認システムの運用コストは保険者中心に負担してもらうが、カードリーダーのデータを取り入れるためのシステム改修については医療機関に負担してもらう必要がある」と説明。患者本人が政府の「マイナポータル」で自分の特定健診や薬剤の情報等を見る際には「費用負担は生じない」と述べた。
 一方、健診・検診情報を本人が電子的に確認できる仕組みについては、同検討会は「速やかに構築する」との意見をまとめた。
 40歳以上の特定健診情報は、2021年3月から医療機関で活用できるようになる。40歳未満の健診情報についても同様に活用できるよう、「保険者へ情報を集めるための法制上の対応を講ずる」との方針を示した。

 

全日病ニュース2020年7月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 病院のあり方に関する報告書 (2015-2016年版)

    https://www.ajha.or.jp/voice/pdf/arikata/2015_2016_arikata.pdf

    総論. 2025 年、「団塊の世代」 が 75 歳以上となり、. 国民の4人に1人が後期高齢者
    という超高齢社. 会になる。後期高齢者では医療や介護サービス. の必要性が ... 公開
    される電子レセプトデータや DPC データ ... 者は、患者本人が情報を管理する PHR
    Per-.

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。