全日病ニュース

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ホーム全日病ニュース(2020年)第967回/2020年7月15日号全日病会長と日医副会長との兼務を承認

全日病会長と日医副会長との兼務を承認

全日病会長と日医副会長との兼務を承認

【第1回臨時理事会】全日病が組織一丸となって猪口会長を支える

 全日病は7月8日に臨時理事会を開き、6月27日の日本医師会の役員選挙で、猪口雄二会長が日本医師会の副会長に就任したことに伴う今後の会務運営を協議した。臨時理事会では、猪口会長が、全日病会長と日医副会長を兼務することをめぐって議論を尽くし、最終的に採決を行った結果、一部に反対意見があったものの、賛成多数で猪口会長の兼務を承認するとともに、全日病の組織が一丸となって猪口会長を支えることを確認。猪口会長が全日病の会長として日医に加わり、病院の立場から医療政策に取り組むことを期待した。

病院の声を取り入れたキャビネット
 冒頭、猪口会長がこの間の経緯を説明した。日医の役員改選は5月末まで横倉会長が中川副会長(当時)に禅譲する話が進んでいたが、6月に入って横倉氏が自ら立候補を表明し、会長選挙が行われることとなった。
 猪口会長が中川氏から副会長候補として陣営に加わることを要請されたのは6月初旬。中川氏から、「病院の声を取り入れる形のキャビネットを作りたい」と説得された。猪口会長は、「本来であれば理事会等を経て組織決定すべきであり、非常に悩んだが、時間が限られていたこともあり、申し出を受けることを決めた」と経緯を説明。キャビネットは、6月10日の記者会見で発表された。
 猪口会長は会見などで、新型コロナウイルスの影響で医療機関経営が打撃を受けていることをあげ、「病院と診療所が一体にならないと力にならない」と訴えた。6月27日の選挙では、中川氏が僅差で当選し、猪口会長が日本医師会副会長に就任した。
 猪口会長は、「いろいろな意見をいただいている。今後のことを相談したい」と述べ、これからの会務運営について考えを述べた。会長は、自らの全日病会長としての任期は来年6月までであり、現時点で会長の職を辞することは考えていないとし、「しばらくの間、全日病の会長と日本医師会の副会長を兼務できないかと考えている」と発言。それに伴い、会長の職務を分担する必要があるとし、自らが出席している各種審議会について、「代理を決めて出席してもらいたい」と述べた。
 具体的には、社会保障審議会・医療部会、国民医療推進協議会、四病協・総合部会。日医・四病協懇談会について、神野副会長を代理として指名した。中医協委員については、日病協の推薦を受けて就任している経緯があることから、「辞退するのが筋と思っている」とし、日病協・代表者会議の決定に委ねる考えを示した。

全日病の考えを主張してほしい
 猪口会長の説明を受けて、理事が自らの意見を述べた。理事からは、「全日病会長職と日医副会長職の兼務は物理的に可能なのか」「全日病と日医の主張が異なる場合にどうするか」「会長の代理として審議会に出席するのでは発言力が弱くなる」などを懸念する立場から兼務に反対する意見があった。
 その一方で、「副会長として日本医師会に加わることは全日病のプレゼンスを高めるチャンス」「医師の半分は勤務医であり、若手の医師を支えるためにも頑張ってほしい」「病院団体の会長であるからこそ、医師会の中で強く発言できる」などの意見があり、猪口会長が全日病会長として日医の副会長職を担うことを支持する意見があった。
 臨時理事会は議論を尽くした上で全員の賛否をとり、賛成多数により、猪口会長が日医副会長を兼務することを認めることを決めた。
 猪口会長は、「理事の方から厳しい指摘を含め、様々な意見をいただいた。これを肝に銘じ、全日病会長と日医副会長を両立させることに全力を尽くす。日本の医療のため、病院のため頑張りたい」と述べた。
 神野副会長は、会長職の一部代行を承諾した上で、「全日病の歴史をひもとくと、時には日医と意見を異にし、時には手を携えてやってきた。猪口会長には全日病の考えを強く日医で主張してほしい」とエールを送った。

 

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