全日病ニュース

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ホーム全日病ニュース(2020年)第967回/2020年7月15日号病院機能評価受審支援相談事業(訪問アドバイス)を受けて

病院機能評価受審支援相談事業(訪問アドバイス)を受けて

病院機能評価受審支援相談事業(訪問アドバイス)を受けて

医療法人春風会 樫村病院 事業部主任 樫本 知也

 当院は、香川県の「高松市」と「さぬき市」に挟まれた木田郡三木町にある37床の小さな病院です。全床が地域包括ケア病棟で、当法人として運営している施設は、病院のほか、通所リハビリテーションと介護支援事業所を開設しております。
 このような環境の中で当院は、地道に近隣の医療機関や介護施設と連携を進め、地域に根ざし、地域住民に寄り添う医療を行ってきました。
 当院においては、「全日本病院協会機能評価受審支援相談事業」を受けて、今回が初受審となります。当初、4月に訪問アドバイス(1回目)を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、6月8日に自粛緩和と十分な感染対策を行うことで開催することができました。
 当院のここまでの経過は、2月に機能評価受審支援セミナーの参加、3月に院内キックオフミーティング開催、4月には全日本病院協会のアドバイザーから当院の自己評価調査票に対するアドバイス一覧を頂き、それを基に院内のワーキンググループで問題・課題の解決に向けて話し合いを進めているという状況でした。
 訪問アドバイス(1回目)は、事務管理領域担当の中嶋先生が来院され、約4時間のアドバイスを頂きました。
 初めに初受審となる当院の主要メンバーに機能評価の「仕組み」「考え方」「心構え」の解説により、漠然とした不安が緩和され前向きな気持ちに切り替わっていったようにと思います。機能評価の認定を得ることが目的ではなく、「より優れた病院となるよう、継続的な質改善活動を行う」という考えが全職員に伝わったと思います。また、受審準備に向けての事務部門の役割についての解説は、当院の受審準備事務局の進め方について大いに参考となりました。
 項目解説では、現況調査票及び自己評価調査票から当院の課題について一つ一つ解説して頂きました。
 特に当院の課題と思われた項目は、【理念達成に向けた組織運営】で、文書管理に関する方針を明確にし、組織として管理する仕組みが不十分なため、組織・人の役割や責任が曖昧になりがちであるため職務職掌規程の見直しが必要でした。また、文書管理がきちんと機能していなければ、マニュアル・手順の作成や見直しが疎かになったり、関係者への周知が行き届かなかったりするとの事でした。この項目では、職員の安全衛生管理、教育・研修、能力評価・能力開発など多くの改善点があり、事例を挙げて解説頂けました。
 その他にも、【患者中心の医療】【患者の意思を尊重した医療】【良質な医療を構成する機能】【地域への情報発信と連携】【組織・施設の管理】など多岐にわたり、当院が問題として認識していない点の指摘や指導があり大変参考になりました。
 最後は院内ラウンドをして現場職員のヒアリングを実施、その際、職員からの質問や疑問にもお答え頂き、とても手厚いサポートをして頂きました。今回訪問アドバイスを受けて、多くの改善点が具体的となり、抱える課題の多さに焦りもありますが、病院をより良い方向に進めるのは、我々自身の取り組み次第であると改めて痛感いたしました。
 この度、中嶋先生には、長時間にわたり多くのアドバイスを頂き誠にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

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