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ホーム全日病ニュース(2020年)第968回/2020年8月1日号2種類の抗体検査が「陽性」で新型コロナの感染防ぐ

2種類の抗体検査が「陽性」で新型コロナの感染防ぐ

2種類の抗体検査が「陽性」で新型コロナの感染防ぐ

【厚労省】住民への抗体検査で中和抗体を確認

 厚生労働省は7月14日、東京都・大阪府・宮城県の住民約5,000人への新型コロナウイルス抗体検査調査について追加の調査を行い、2種類の検査試薬のいずれも陽性だった検体に、新型コロナウイルス感染を防ぐ中和抗体が確認されたことを発表した。1種類のみ陽性だった場合、検体にウイルス感染を阻害する機能はなかった。
 厚労省は6月16日、東京都・大阪府・宮城県の住民への抗体検査の結果を明らかにした。住民への抗体検査にはアボット社とロシュ・ダイアグノスティックス社の2種類の検査試薬を使用し、いずれも陽性だった人(東京都0.10%、大阪府0.17%、宮城県0.03%)を「抗体あり」とみなした。
 その時点では、新型コロナウイルスの抗体を持つ人が、新型コロナウイルスに再び感染することがないのかどうかがわかっていなかった。
 その後、国立感染症研究所で、抗体がウイルス感染の阻害機能をもつかの検査を行った。その結果、前回の調査で「抗体あり」とした、【2種類いずれの検査試薬でも陽性】の検体では、ウイルス感染を阻害する機能をもつ「中和抗体」が確認された。
 1種類のみ陽性で、もう1種類で陰性だった人には、中和抗体が確認されなかった。厚労省によると、1種類のみ陽性だった場合は、◇新型コロナウイルスの抗体はもっているものの、その抗体に再度の感染を防ぐ機能はない◇抗体検査の結果が偽陽性だった―のいずれかが考えられる。
 厚労省の担当者は、「抗体検査を行うのであれば、一定の評価がなされている検査方法でやってほしい。それでも1種類の検査では、偽陽性が出る可能性がある」と述べている。
 症状の有無と中和抗体の有無との関係は、現在研究中という。ウイルス感染を阻害する中和抗体が、どれだけ持続するかは、まだわかっていない。

 

全日病ニュース2020年8月1日号 HTML版

 

 

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  • [2] 血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2020/200407_1.pdf

    (1)HBs抗原 CHBe抗体との重複陽性例含. HGV. 1HIV. I 可能な限り過去に遡り、
    保管検体等の i む)が陽転した場合. 個別 NATが陰性と判定されるまで全て|.
    追加試験としての中和試験※及び個. の輸血用血液製剤、原料血襲を遡及す|.

  • [3] 薬食発 0730第 4号 平成 26年 7月 30B 公益社団法人全日本病院協会 ...

    https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2014/140804_1.pdf

    る保管検体が全て個別 NAT陰性の場合にも、医療機関への情報提供は書面で行う.
    こととし、その ... 中和試験. HBs抗原検査で陽性と判定された検. 体について、
    その反応の特異性を確 ! 認する試験. 1. (2)HBc抗体のみが陽転した場合. | 可能
    な ...

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