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９月までの診療報酬改定の経過措置の延長求める

【日病協・代表者会議】３月以前の新型コロナ対象経費も支援を要望

　日本病院団体協議会は７月17日に、代表者会議を開催した。新型コロナの影響により病院経営が悪化し、感染症対策への対応も続けられている中で、経過措置が９月30日までとなっている2020年度診療報酬改定の項目について、経過措置を継続することを、厚生労働省に要望することを決めた。また、第二次補正予算で医療機関に対する感染防止対策への支援が３月31日以前に遡って、受けられることも要望する。
　2020年度診療報酬改定では、様々な経過措置が設けられている。2021年３月31日までのものが多いが、2020年９月30日までの項目もある。特に、「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の測定方法」や紹介状なしの病院受診時定額負担の対象病院拡大の10月１日からの実施は、病院経営に直結する可能性がある。
　同日の代表者会議では、2020年度改定で「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の測定方法」の厳格化への対応が、新型コロナによる患者減の影響で想定通りに行えなくなり、新たな基準を満たせず、急性期一般入院料を変更せざるを得ない病院が出てくる恐れを指摘する意見が出た。
　代表者会議の議長で、日本病院会の相澤孝夫会長は会見で、「すべての項目の経過措置の延長を要望するか、一部にするかなど、詳細はこれからだが、基本的な方向として、思いやりのある対応を求めたい」と述べた。
　また、第二次補正で手当てされた医療機関への院内感染防止対策などの対象が、2020年４月１日から2021年３月31日までの経費であることから、2020年３月31日以前の経費も対象とすることも要望する。「年度」という期間で区切りの予算措置の性格上、実現は難しい提案としつつも、できるだけの対応を厚労省に求める。
　前回より結果が出た団体から行われている病院経営状況の報告は、全国公私病院連盟と全国自治体病院協議会からあった。まだ、すべての団体からの報告は出ておらず、６月以降の動向も注視する必要があることから、相澤会長は「もう少し経過をみて、全体をまとめ、報告する」と述べた。
　副議長の斉藤正身・日本リハビリテーション病院・施設協会会長は、「リハビリ協会も全体の傾向を報告した。回復期が専門の病院と、ケアミックス型の病院では状況が異なることがわかった。コロナを受け入れた病院とそうでない病院、高度急性期から急性期、回復期、慢性期ではそれぞれ受けた影響が違い、時期もずれる。特に、回復期、慢性期は遅れて影響が出ている」と説明した。

猪口会長の後任の中医協委員に池端氏
　代表者会議は同日、池端幸彦・日本慢性期医療協会副会長を中医協委員に推薦することを承認した。全日病の猪口雄二会長が、日本医師会副会長に就任し、中医協委員の辞意を表明したことに伴うもの。中医協の病院団体代表は、日病協の推薦で委員に就任しており、猪口会長も日病協の推薦を受けていた。
　日病協の診療報酬実務者会議では、３名の候補者が出ていたが、「公私、分野等のバランスを考慮し」、池端副会長に一本化し、代表者会議に報告された。