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猪口会長が中医協委員を退任、後任は日慢協副会長の池端氏

猪口雄二会長

猪口会長が中医協委員を退任、後任は日慢協副会長の池端氏

【中医協・総会】「効率的な医療を評価する議論に期待」猪口会長

 全日病の猪口雄二会長が7月22日の総会を最後に、中医協委員を退任した。後任には、日本慢性期医療協会副会長の池端幸彦氏が就任する。中医協委員の病院代表は、日本病院団体協議会の推薦を得て就任しており、猪口会長も日病協の推薦で中医協委員になっていた。猪口会長は、6月27日の日本医師会役員選挙で日医副会長に就任したことから、来年10月までの任期を前に、辞意を表明していた。
 退任の挨拶で猪口会長は、「中医協委員として、5年間、3回の診療報酬改定を経験し、国民皆保険を守り、よりよい医療提供体制にするための議論に参加してきた。少しは役立てたと思う。今後は高齢化がさらに進み、コロナ禍もあり、診療報酬の議論はますます難しくなる。私はこれまでICTやAI、ロボティクスの導入が促進され、効率的な医療が提供されることを評価する診療報酬を訴えてきた。その方向で診療報酬の議論が進み、よりよい診療報酬体系になることを期待している」と述べた。
 その上で猪口会長は、オンラインで開催した中医協総会を退出した。
 同日の中医協総会では、最近の医療機関の経営状況や患者の受療行動がわかる資料を、厚生労働省が次回の総会で提出する考えを示した。日本医師会常任理事の松本吉郎委員は、「新型コロナはほぼすべての医療機関の経営に深刻な影響を与えている。すでに講じている診療報酬の特例的な対応の検証を含め、幅広く議論できる資料をお願いする」と求めた。
 しかし、これに対し健康保険組合連合会理事の幸野庄司委員が、「診療報酬を絡めて医療機関の経営状況を議論することに対しては、明確に否定する。新型コロナの影響で企業の業績も悪化し、保険料収入も悪化している」と述べ、医療機関の経営悪化への対応として、診療報酬を議論することに反対した。
 日本病院会副会長の島弘志委員は、「新型コロナ患者を受け入れた医療機関でも、受け入れていない医療機関でも診療内容や患者の受療行動が変わっている。医療提供体制の変化もある。これらを考えることのできる資料が必要になる。2020年度診療報酬改定の『重症度、医療・看護必要度』の見直しも10月から実施されるが、対応できない病院も出てくる可能性があるので、その取扱いも議論すべきだ」と提案した。

新たなコロナ検査の診断薬を適用
 新型コロナのPCR検査については、同日、「FilmArray呼吸器パネル2.1」(ビオメリュー・ジャパン株式会社)を承認した。鼻咽頭拭い液中のSARSCoV-2を含む21項目の病原体を核酸検出する体外診断用医薬品。測定方法はマイクロアレイ法(定性)で1,350点(カテゴリーB感染物質輸送を行う場合は1,800点)。臨床検査としての区分はE3(新項目)となった。
 松本委員は、「複数の項目を調べる目的に限定しているのか。それとも新型コロナウイルスだけを疑った場合も検査できるのか」と質問。厚労省担当者は、「医師がこの検査を実施することが、診療上最適であると判断するのであれば、新型コロナの疑いのみで、認められる」と回答した。
 厚労省は同日、「検査料の点数の取扱い」を通知した。
 検体検査料の微生物核酸同定・定量検査に、新たな検査料として加えた。新型コロナが疑われる患者に対し、マイクロアレイ法(定性)により、鼻咽頭拭い液中のSARS-CoV-2を含むウイルス・細菌核酸多項目同時検出を行った場合、SARSコロナウイルス核酸検出の点数を準用して算定することになっている。
 カテゴリーBの感染物質輸送を行う場合は4回分の1,800点、それ以外の場合は3回分の1,300点。診断から確定までの間に、1回に限り算定できる。ただし、検査結果が陰性で、新型コロナ以外の診断がつかなければ、さらに1回算定できる。新型コロナ患者が退院可能かの判断で検査を実施する場合は、1回に限り同様の取扱いで点数を算定する。
 なお、SARS-CoV-2を含むウイルス・細菌核酸多項目同時検出を実施した場合、SARS-CoV-2を含まないウイルス・細菌核酸多項目同時検出やSARSCoV-2核酸検出などは、別に算定できない。

 

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