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病院機能評価データブックの活用について

病院機能評価データブックの活用について

全日病副会長 美原 盤

 病院機能評価は、病院が組織的に医療を提供するための基本的な活動(機能)が、適切に実施されているかどうかを第三者の立場から評価する仕組みである。「病院機能評価データブック」は、審査を通じて得られた医療提供の構造(ストラクチャー)、過程(プロセス)などの情報を、受審病院や国民に還元することを目的として作成されたものである。この還元された情報をどのように病院運営に活用したらよいだろうか。
 当院では、機能評価認定を更新することを医療の質の向上に対する継続的な取り組みのためのツールととらえている。具体的に取り組むためには、何らかの目安が必要である。自分の病院は全国的に見てどのような場所に位置しているのか、どのようなところを目標にするのか。このような視点に立った時、「病院機能評価データブック」から病院運営に有用な情報を得ることができる。
 それぞれの病院にとって参考になる項目は異なるであろうが、当院にとって自院と同じ機能種の病院における各専門職の人員の配置、患者1人1日あたりの収益などは運営の目安になるものである。
 「病院機能評価データブック」別冊として「S評価の事例」をまとめている。当院ではこの別冊も含めて各部署で回覧している。病院スタッフにとって、病院機能評価を受審するには大きなエネルギーが必要であり、ストレスとなっているかもしれない。だからこそS評価を受けたことに対する達成感も大きなものとなる。当院でもいくつかの項目においてS評価をいただいており、「病院機能評価データブック」という形で自分たちの取り組みが公表されているのを認識することは、次回の受審に向けてのモチベーチョンの刺激になっていると感じられる。また、S評価を受けた項目について院内掲示やホームページに公開することなどは広報活動の一つとして有用かもしれない。
 S評価を受けた他院の取り組みは、自院の機能の向上のヒントとなるものがあるかもしれない。当院において各部署に「病院機能評価データブック」を回覧しているのは、それぞれの現場が、S評価を受けた他院の取り組みを自院の状況に合わせて適応できないか検討して、改善に役立ててもらうことも狙いの一つである。各部署の年度計画や年度目標の立案などにも参考になると思われる。
 それぞれの病院が、自院機能の向上に向けて「病院機能評価データブック」を活用されることを期待している。

 

全日病ニュース2020年9月15日号 HTML版