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コロナ患者入院措置を重症者等に限定へ

【厚労省・感染症部会】都道府県知事の判断で柔軟な対応も可能に

　厚生科学審議会の感染症部会（脇田隆字部会長）は９月25日、新型コロナウイルス感染症の感染症法の運用を見直し、入院措置を重症者等に限定する方針を了承した。
　政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が８月28日に決定した「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」では、発熱患者が多発すると予想されるインフルエンザ流行期に、医療資源を重症者に重点化するために、感染症法に基づく入院勧告等の権限の運用を見直す方針を示していた。
　感染症部会では、新型コロナウイルス感染症の入院措置を患者に一律に適用するのではなく、入院が必要な人を明確化する方針を了承した。具体的には、高齢者・基礎疾患を有する人、妊婦などの『重症化リスクのある人』や『重症者』に入院措置を限定する方向だ。
　現在、地域により感染状況は異なっており、軽症も含めて感染者を全員入院させる地域もあれば、無症状者等を自宅療養させている地域もある。今後は、感染拡大を防ぐ目的で都道府県知事が「入院が必要」と判断する人について、柔軟に入院措置を実施できるよう、規定を整備する。
　無症状や軽症で、入院の必要がないと判断された人には、今後も引き続き感染拡大防止のために、宿泊療養や自宅療養を求める。
　委員からは、「高齢者と子どもが同居するケースも多いので、入院措置について国民に情報提供をきちんと行うべき」との意見があった。厚生労働省は、「メッセージの発信の仕方は慎重に考えていく」と応じた。
　この他、「宿泊療養の充実が必要」「自治体により入院勧告の対象が変わることに、法律上の問題はないのか」などの意見があった。
　厚労省は、10月に政令改正を行う予定だ。

鼻腔ぬぐい液は自己採取が可能
　部会は、新型コロナの検査の検体に「鼻腔ぬぐい液」を新たに追加することも了承した。
　鼻腔ぬぐい液は患者自身が採取することも可能で、その場合は医療従事者のウイルスへの暴露は限定的であり、検体を扱う際の感染防護はサージカルマスクと手袋でよい。医療従事者が検体を採取する場合は、フェイスガードやガウン等も装着する必要がある。
　厚労省は部会の承認を受けて10月２日、鼻腔ぬぐい液を検体として活用できることを通知で示すとともに、新たに「新型コロナウイルス感染症（COVID-19）病原体検査の指針（第１版）」を公表した。これまでの「SARSCoV-２抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」は廃止された。