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ホーム全日病ニュース(2020年)第976回/2020年12月1日号新興感染症等の感染拡大時の医療を5事業の記載事項に追加

新興感染症等の感染拡大時の医療を5事業の記載事項に追加

新興感染症等の感染拡大時の医療を5事業の記載事項に追加

【厚労省・医療計画見直し等検討会】第8次医療計画への反映目指す

 厚生労働省の医療計画の見直し等に関する検討会(遠藤久夫座長)が11月19日にオンラインで開催された。コロナ禍を踏まえ、「新興感染症等の感染拡大時における医療」を医療計画の5事業の記載事項に追加することを了承した。感染症法に基づく「基本指針」などの見直しと整合性を確保しつつ、2024年度から2029年度の第8次医療計画に反映させる。
 また、外来機能の明確化で、「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う病院を明確化するため、外来機能報告制度を創設する論点整理を大筋でまとめた(8面参照)。
 コロナ患者を受け入れた病院が一般の医療を制限せざるを得なくなるなど、コロナのような新興感染症が広く一般の医療提供体制に大きな影響を与えることが認識された。このため、都道府県の医療提供体制を確保するための医療計画においても、「新興感染症等の感染拡大時における医療」を位置づけることになった。
 その場合に、新興感染症等への対応は、有事対応としての「災害時における医療」との類似性があり、いわゆる「5事業」に追加することが適当とされた。具体的には、「新興感染症等は発生時期、感染力、病原性を事前に予測することが難しいが、発生後に速やかに対応できることの準備を予め進めていることが重要である」ためだ。
 なお、「5事業」には、①救急医療②災害時における医療③へき地の医療④周産期医療⑤小児救急医療を含む小児医療─がある。
 医療計画の記載事項に、「新興感染症等」を位置づけるに当たっては、「基本方針」(大臣告示)や「医療計画作成指針」(局長通知)の見直しを行う必要がある。その際に、厚生科学審議会感染症部会の感染症法に基づく「基本方針」などの見直しと整合性を確保する。
 これらの方針を検討会として了承した。各都道府県に対しては、感染症対応の医療資源の状況など地域の実情に応じた計画の策定と具体的な取組みが求められる。
 全日病副会長の織田正道委員は、「『地域医療構想ワーキンググループ』のヒアリングでも、コロナ患者を受け入れた病院では、ハード面ではゾーニングや動線確保で空間的な余裕が必要となり、ソフト面ではマンパワーを確保するため、病床を休止せざるを得ないことがわかった。一般医療が制限される分は、地域での役割分担のため、平時から新興感染症等に感染した患者を受け入れる病院を明確化しておく必要がある。また、多職種で構成する院内感染防止を図る感染制御チームの普及が進んでいるので、積極的に活用すべきだ」と述べた。
 2024年度からの第8次医療計画に反映させるためには、2022年度までに内容をまとめる必要がある。

 

全日病ニュース2020年12月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2020年10月1日号)

    https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2020/201001.pdf

    2020年10月1日 ... 中等症Ⅱの新型コロナ患者への診療報酬増額. 中医協総会. 自民党・両院 ... コロナ.
    禍の中、職を辞することになり、心. よりお詫び申し上げる」と陳謝した。 第99
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    へ遠方より ... 働大臣が要請する意見を大筋で了承し. た。これを ...

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