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緊急包括支援交付金で新たに１兆1,763億円

【政府】コロナの感染拡大防止策など第三次補正を閣議決定

　政府は12月15日の臨時閣議で、2020年度第三次補正予算案を決定した。歳出総額は19兆1,761億円、うち厚生労働省分は４兆7,330億円。コロナ感染症緊急包括支援交付金を増額し、１兆1,763億円を計上した。引き続きコロナ患者の病床確保を支援するほか、診療報酬の特例措置を新たに設ける。
　補正予算案は３本柱で構成。①コロナの拡大防止策（厚労省分で２兆5,484億円）②ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現（同２兆1,310億円）③防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保（同535億円）となっている。コロナの拡大防止策では、コロナ感染症緊急包括支援交付金（１兆1,763億円）、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現では、雇用調整助成金による雇用維持の取組の支援（１兆4,679億円）が最も金額の大きい項目である。
　コロナ感染症緊急包括支援交付金の増額では引き続き、重点医療機関・協力医療機関の病床確保や軽症者の宿泊療養施設の確保、外国人対応の充実などを支援し、医療提供体制等の強化を図る。
　診療報酬では、臨時異例の措置との位置づけで、小児診療とコロナの回復期患者を受け入れる医療機関への評価として、年度分の71億円を計上した。
　外来での小児診療の評価では、小児特有の感染予防策を講じた上で、６歳未満の乳幼児を診療した場合、医科で100点、歯科で55点、調剤で12点を特例的に算定できるようにする。医科では、初診料の乳幼児加算（75点）と地域包括診療加算１（25点）の点数を準用し、合算した。
　コロナ患者の回復後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた医療機関の評価も引き上げる。現状では、二類感染症患者入院診療加算（250点）を特例的に算定できるが、その３倍（750点）に引き上げる。
　また、診療・検査医療機関の感染拡大防止等の支援では212億円、医療機関・薬局等の感染拡大防止等の支援では858億円を盛り込んだ。
　これらの手当ては、12月９日に四病院団体協議会として田村憲久厚労相に要望した項目を一定程度実現させるものとなっている。
　コロナの感染防止策で、交付金の次に金額が大きいのは、コロナワクチン関連。ワクチン接種体制等の整備で5,798億円を計上した。有効性・安全性が確認されたワクチンを希望する国民が遅滞なく摂取できる体制を整える。
　福祉医療機構による無利子・無担保等の危機対応融資は引続き実施（1,037億円）。福祉施設での感染拡大防止等への支援でも1,459億円を計上した。
　ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現では、◇不妊治療の助成の拡充（370億円）◇保健医療情報等の利活用（51億円）◇電子処方箋管理システム構築（61億円）─などの2020年度分の予算を盛り込んでいる。