全日病ニュース

費用対効果評価の価格調整は再算定等と同じタイミングで

【中医協総会】キムリアやテリルジーは年度内に評価結果を報告

　中医協総会（小塩隆士会長）は２月10日、医薬品や医療機器などの費用対効果評価制度の運用で、中医協総会が評価結果を決定した後の対象品目の価格調整について、新薬保険収載・四半期再算定と同じタイミングで審議することを了承した。告示や適用も四半期再算定等と同様の取扱いとする。
　医療保険財政に影響を与えかねない高額な医薬品などが登場してきたことを背景に、医薬品や医療機器の公的価格を費用対効果の程度に応じて、引上げや引下げを行う費用対効果評価制度は、本格運用が2019年度から始まっている。2021年２月10日時点で、14品目が対象となっており、分析前協議や公的分析が行われている状況だ。
　14品目の中で、白血病治療に用いるキムリア（ノバルティスファーマ）とCOPD（慢性閉塞性肺疾患）の治療薬に用いるテリルジー100エリプタ（グラクソ・スミスクライン）については、評価の最終段階である総合的評価が実施されている。厚生労働省は年度内には、結果を報告できる見通しであるとの見解を示した。
　今後、専門組織による総合的評価が終了し、中医協総会に報告され、審議の上、評価が決定される。その後、実際の価格調整が行われることになるが、中医協総会での評価の決定後の詳細については、これまでの議論では、決まっていなかった（左図を参照）。
　今回、厚労省は、ICERの区分など費用対効果評価の決定後の価格調整や告示・適用などは、新薬保険収載・四半期再算定と同じタイミングで審議し、告示・適用は、四半期再算定と同様の取扱いとすることを提案し、了承された。なお、新薬では告示後の適用は翌日だが、再算定においては、告示から３カ月後の月の１日付けで適用されることになっており、費用対効果評価の価格調整の適用は再算定と同様の取扱いとなる。